第13話 おっさん飛ばされる

ブルーノさんの次の階へ進もうという意見にニーニャとリオンが 即行きましょうと同意してスタスタと

階段を下りて行った。


「よっぽど虫と臭いがいやだったんだな」


とリュートがいい 慧の でもアンデットよりマシじゃないですかね? という言葉を聞き、慧の肩に手を置いたライルが遠い目をしながら 顔を横に振った。


 きっと、アンデットがでるまで言ってやるな という彼なりの優しさなんだろう。


さっさと降りて行ってしまった二人に追いつくべく後を追って階段をおりると


「・・・・・・・また・・・・・・遺跡だね」


 と慧がいい 前方に目を向けると orz というわかりやすい形でうなだれているニーニャとリオンがいた。


「ほんとにorzって形にうなだれてるやつはじめてみたわ」


とリュートが冷静に言うと ガバッとおきたニーニャがリュートにつかみかかり


「だって!また遺跡だよ!!??またあいつらがワラワラ地面から湧いてくるんだよ!?」


と若干錯乱気味に言いながらガンガンとリュートをゆすっている。

あばばばば・・・・少しおちついてニーニャ・・・・まだ4階と同じ魔物がでるってきまってないじゃないか というリュートの言葉に 違うわけないじゃん!違うわけないじゃん! と否定してガシガシゆする。


 大事なことだから2回言ったのかなと心の中で思ったりもしたがとりあえずニーニャを抑えておちついてもらう。


「ニーニャ先に進まなきゃ ずっとここにいることになる 戻るにしろ また4階の遺跡を通って3階のジャングルを抜けるか?」


という俺の問いに対し うぅ・・・ すすむよ と うらめしそうに小さい声で言ってきた。


「そうだよ アンデットだってでるかもしれないし ボーンだけならいいじゃない 」


と慧がさわやかに慰めた


「「アンデット!!!???」」


とまたニーニャとリオンが錯乱しそうになったところ ライルが慧に拳骨を落とし 無駄にあおるんじゃねぇよと苦笑いした

頭をおさえ 慧が すいません つい と苦笑しながらあやまったが みんな彼が確信犯だと実感した。


「とりあえず 同じようにまわってみよう」


ブルーノさんの声に皆が同意し右回りに進んでいく


「ここは4階と同じような作りだけど、どちらかといえばここのほうが居住区って感じがするな」


という俺の意見に たしかに 生活感があるきがしますね と慧が同意した。


いくつかの角を壁伝いに右に曲がっていると行き止まりについた。


「おっと? いきどまりか んじゃ 戻ろうぜ」


というライルの言葉で皆が戻ろうとしたとき


後ろから あいつらが這い出る音が聞こえた 「「ひぃ! くる!くるよ!!」」とニーニャとリオンの顔が蒼くなったが、さらに引き返そうとした道もモコモコ動き始めた。


「挟まれたよ!」


と慧がいい


「引き返す道をニーニャと慧で!道がひらいたらライル押し通れ! 後ろは俺が食い止める!」


いうと同時に俺が行き止まりのほうへ走る 俺も付き合うぜ とリュートが後を追ってくる


「前は5体だ!おちついてはい出るところを狙え! 後ろの3体は すまん!アマガイ・リュートまかせた!」


 ブルーノさんもいうと同時に走り出す シッ! とニーニャが2連でナイフを投擲する。

 1本はちょうどはい出てきたボーンナイトの眉間を貫き、1本は左目を貫いていた。

リオンは ひぃぃぃ と言いながら ボーンナイトを飛び越えすれ違い際にレイピアで3連突きで頭部を串刺しにしていた。

慧は冷静に弓ではい出た直後のボーンナイトを射抜き、最後の一体は うぉぉぉ 盾を前に出し叫びながら走るライルの盾で粉砕されていた。

ブルーノさんはほかにも出てこないか周囲を警戒しながら俺らに前方の道は開けたことを知らせてきた。


俺とリュートは二人とも槍なので先に接触した俺が横なぎに槍を振るい力任せにはい出てきたボーンナイト2体の頭部を破壊し、ひゅ~ とその様子を見ながらリュートが口笛を吹きながら最後の1体を槍でついて難なく倒した。


追加で出てこないか警戒しながら魔石を回収し前方で待機しているみんなと合流した。


「やっぱりボーンさんでてきたね」


と慧がいい ニーニャとリオンの殺気のこもった目線に汗をかきつつ俺に


「アマガイさん ずいぶん派手にやってましたね」


と言ってきたので


「いやぁ・・・今まで鉈で叩き切ってたからさぁ 突きがリュートのようにできなさそうだったしなぁ」


と俺の答えに リュートは苦笑し ライルはなぜか うんうん と力ずよく頷きながら


「あれでいいんだ アマガイ! 力こそ正義! 筋肉こそマ~イ・ジャスティス!!」


と俺はわかってるという顔で暑苦しいポージングを決めてくる


「・・・・・あつくるしい」


というニーニャのうんざりした言葉に リオンも そうですね とドン引き気味にいい しらけた目で

ライルをみている


「しっかしいくら戦っても筋肉痛ってくるよなぁ・・・きっついぜ」


というリュートの意見に皆 そうだね とか 今も死にそう とか ブルーノさんで うんうん と頷き同意している

ライルだけ 筋肉痛は明日の自分へのご褒美だ! とさっきと違うポージングをかましたが

全員からスルーされている。

それでもめげずにどんどん違うポージングをしている彼の肉体より心がアイアンマッスルだなと思った。


「筋肉痛は回復薬では治らないけどヒールをかけてもらうと治るぞ?」


と俺がリリに聞いた情報を皆におしえると


皆が マジで!? 帰ったらメイちゃんにお願いしなきゃ! とか色々言っていたが


「アマガイはどうやってその情報をしったんだい?」


とブルーノさんに言われ 素直に 筋肉痛がひどい話をリリにしたら教えてくれたと答えた。


「リリちゃん・・・・チッ!」

「第一級要注意人物に認定ですね」


とニーニャとリオンがいい


「だからアマガイは毎日毎日戦っても平気だったのか 初めて会った時よりかなり体が締まってきてるもんな」


とリュートがいい そうか? と俺が答えると 皆がたしかにといっていた。


「俺は今年で40になるからさぁ 衰えてる分 若い奴らより頑張らないとね」


という俺の回答に ブルーノさんが たしかに といい、ライルが 筋肉に限界はねぇ と未だポージングを決めている。

そしてアマガイからいい情報をもらったこれで俺はさらなる筋肉の高みへ望める!!とニカッと笑っていた。


みんな無言で先に進むことにしたようだ。俺もライルと目線をあわせないようにみんなの後を追った。


「ちょっとみんな待てよ!」


とライルが慌てて後を追いかけようとしたときバランスを崩し左の壁に手をついた、その時


「へっ!?」


ライルの左手が触れている壁が光りだした。

やばい!と思うと同時に体が勝手に動いてライルの右腕を引っ張った

ライルは俺のほうに引っ張られ反動で俺がライルの居た場所に行ってしまった。


これはみたことある、最初の頃 街に転移したときの転移陣と同じ光だと思った。


「俺は大丈夫だからみんなは先に進め!あとで必ず合流する!」


というのが精いっぱいで皆の顔を見る暇も答えも聞く間もなく

俺はどこかに飛ばされた。


「アマっちゃん!」

というニーニャの声だけが最後に聞こえた。

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