第11話 おっさんと3人で
その後、ニーニャがトラウマになってしまったかなと思って先頭を歩くのを少し控えさせようとしたが
「もう大丈夫!罠発見回避は私の仕事だよ!」
と頑なに断るので全員で様子をみながら任せることにしたがその後の彼女は一切油断することなく
罠の発見と回避、マッピングをがんばった。
そのかいもあり2階はなんなく攻略し3階へ降りた3階は今までと違いジャングルのようになっていた
そして今までの階よりも天井が高く大きな木なども生えていた。
「光る壁で光合成できるんだなぁ」
とつぶやくと、地球とは植物の生存方法も違うのかもしれないよと慧がいってきた
たしかに二酸化炭素ではなく魔素を吸収していたとしたら考えられるかと思いつつ先に進む。
「なぁ?ブルーノこういう場所はどうやってマッピングするよ?」
とライルが聞くとブルーノさんは
「目印になりそうな木を起点に書いていこう」
といいそれしかねぇなぁとみんな納得した
そして出てくる魔物は主に爬虫類系でリオンは平気だったがニーニャは ひぃぃぃぃ気持ち悪い!と
まったく戦力にはならなかった。
なかでもポイズンフロッグという名前通りのカエルの魔物がでたときとパララリススネークが出たときはひどかった。
ポイズンフロッグは唾液と背中のイボに毒をもち唾液まみれの舌で毒攻撃をしたり背中のイボから
毒液を飛ばしてくる。
テンパったニーニャに舌を伸ばしてきてあまりの気持ち悪さに硬直し動けない彼女をライルが盾でかばったが背中を向けて毒液を霧状に飛ばしてきたので二人を突き飛ばしかばうように俺がその毒霧を浴びてしまった。
毒耐性はもっているが毒が効かなくなるというわけではなく効きがよわくなるとかある程度我慢できるようになるという代物らしく結局 バットステータス(毒)をもらってしまった。
毒をくらうと発熱とめまい、吐き気に襲われ 徐々に体に力が入らなくなり一定時間でHPが削られていく。
すぐ毒消し薬を飲んで耐えたが微熱は続いている。
「・・・・アマっちゃん・・・・何度も何度も足を引っ張ってごめん・・・・」
めずらしく消え入りそうな声でうつむきながらニーニャが謝ってきた。
「苦手なものは誰にでもある誰も死んでないし無事魔物も倒せた気にすんな」
といったが自分のせいで俺が2度死にかけたのがよっぽど答えているようだ。
一種の自信喪失状態だと思う。
俺はブルーノさんに目で合図をしブルーノさんの提案でそうそうに4階に向かうことにした。
4階は遺跡みたいなところで少し開けたところで今日の探索をおえここでキャンプすることにした。
見張りは2・2・3人の3交代で起きて見張りをすることにした。
振り分けはブルーノさんが決めた
1班目はライルとリュート、2班目はブルーノさんと慧、3班目は俺とニーニャ、リオンだ。
全員でたき火をした周りにすわり携帯食を食べる
そして見張り兼火の番を残し火の回りに寝る
ブルーノさんが寝る前に俺に小声で
「すまんな、まだ初日だからいいが日数がたてば何が起こるかわからんから2人を頼むよ」
と言っていた。俺はいいのかと突っ込みたかったがとりあえず今回はおとなしく指示に従った。
初めてのダンジョンでなかなか寝付けないでいるとリオンが小声で これどうぞ と俺に飴をくれた。
なめたら甘くて落ち着いた・・・・・横を見るとリオンが優しい笑顔で見ていてくれた
なぜか安心した俺は・・・・そのままそっと意識を手放した。
あぁこれは夢だ・・・・ただいつもと違う・・・・
見たこともないダンジョンを一人で必死に走っているが出口が見当たらない
しばらく走っていると行き止まりにたどり着いてしまった
そしたらガガガガガと天井から音がして天井と壁が少しずつ狭まってくるどんどん狭まり
俺は抵抗むなしく挟まれた壁は固くはないがやはり圧迫されていきぐるしい!
もうだめだ!
「ハァハァ・・・・・夢だとわかってても死ねるわぁ・・・・」
と起き上がろうとしたら体が動かない・・・・それに未だ夢ほどではないが圧迫感が左右からある
目線だけで横を見ると右にリオン、左にニーニャが抱き着いてきていた
それを
ブルーノさんと慧が生暖かくニヤニヤしながらながめていた
「やぁ アマガイさん まだ交代前だからあと少し寝ててもいいんだよ?」
とニヤニヤしながら慧が話しかけてきた。
「いやもう寝れんわ それよりこいつら引き離してくれ 身動きが取れん」
えぇ?もう少し堪能しててもいいんだよ?と再度からかってきたので少し怒気をこめて見つめてみた
ひぃ!と震えた慧にみかねたブルーノさんがからかいすぎだといい二人をそっと引き離してくれた。
「すまないブルーノさん恩に着る」
と言いながら俺は愛刀ならぬ愛鉈を抜いた
「ひぃぃぃ!すいません アマガイさんほんの出来心なんです!許してください!!」
と涙目で訴え来たので次はないぞ?と脅して終わった。
交代まで少し早いが二人には寝てもらうことにした。
時間になれば彼女らを俺が起こすことなったが別に一人でもいいんだよなぁと思いながら火に木を入れていたら
「まってて・・・コウスケ・・・私絶対帰るから・・・・まってて」
とニーニャの寝言が聞こえた・・・・たぶん俺と同じで毎日見ているんだろうとみていると
「う・・・うぅ・・・」
と泣きながら目を覚ました、気まずかったので気づかないふりをして薪をいれていたら
ニーニャが起きてきて隣に座った。
どれだけ時間が流れたかわからないが交代時間をしらせる蝋燭が半分ほど燃えていた。
その間、お互い何もしゃべらずただ隣に座っているだけだったが
「あのね・・・私・・・結婚してるんだ・・・・結婚2年目なんだよねぇ」
とぽつりぽつりと話をしてきた、俺は黙って聞いていた。
「私はさ・・・昔からゲームが大好きで・・・結婚記念日のお祝いに旦那が買ってくれたの」
そっちは?と聞いていたので
俺は大体のここまでのことや妻と長男がいることを話した。
「そっか・・・・私たちが帰るまで・・・・向こうは待っててくれるかな・・・・」
と消えそうな声で肩を震わせているニーニャになんと声をかければいいのかと思っていたら
「絶対まっててくれますよ! だってニーニャさんが選んだ旦那さんですから!」
とリオンがいつのまにか起きていてニーニャの肩をだいてそう励ました。
ありがとうとニーニャが言っていたが心の中で俺もリオンには感謝した、第三者にまっているといわれるのは慰めでもうれしかった。
それからは少しだけ3人で向こうでのことを教えあったリオンは就職が決まりあとは大学を卒業するだけだったから自分に対して就職祝いにこのゲームのβに申し込んで今に至っているそうだ
それと意外と3人の住んでいる場所が近かったのには、世間はせまいなと苦笑した。
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