僕が★100個を獲得できない100の理由

三文士

第1話そもそも勉強不足

早いものでカクヨムに登録してそろそろ一年が経とうとしている。光陰矢の如し。


ネット小説初心者丸出し変質者だった僕も今では立派な中級変質者。周りから向けられる冷ややかな視線がクセになってきた頃には、誰も見向きもしてくれなくなっていたことに気が付いた今日この頃。


休日の朝、僕はいつもの様に排気ガスと騒音の立ち込める我が家のベランダで特別な朝にだけ飲むと決めているネスカフェゴールドブレンドのインスタントとは思えない豊かな芳香ケォリィを楽しんでいた(一部フィクションあり)


いつものようにスマホを捏ねくり回しカクヨムを開く僕。


「さてさてカクヨムはどうかな」


「おっPVが2ついたか。よしよし」


「アレ、また星減ったよ。いるかなこの減る機能」


そんなことを考えながらランキングを覗いたり、注目の作品ラインナップを眺めていた。


「いやーやっぱりすげえなあランキング1位。星4000かよ」


「2位でも1345か。すげえなあ」


「おっ10位は120かいくらか現実て‥」


「待てよ」


そこで僕はとあることに気が付いてしまう。




「僕の作品て‥星100超えてるの一個もねえじゃん‥」


由々しき事態だった。あまりのショックにせっかくのネスカフェゴールドブレンドを鼻から吹いてしまうほどだった。


僕はすぐに脳内会議を開くことにした。


「たすえてええええ木村さあああん」


「 どうしたんどぅい?友達ミ・アミーゴ



フェルナンド木村さん


僕の相談に快くのってくれる頼れるアニキ的存在。


日系スペイン人。


胸毛が濃い。


無職。


普段はTOKYO MXを見て過ごしている。


好きな番組は5時に夢中!


木村さんは僕の脳内親友イマジナリーフレンドだ。


ちなみに僕は今年32さい。



「大変なんだ!僕の書いている小説とエッセイ。もう20作品もあるのに星100超えているもが1つもないんだ!しかも長編は23万字あって星が22だよ!」


「そうだな」


「おかしいよね!きっと陰謀に違いない!」




「いや、クソつまんないからでしょ」




「えっ‥」


僕の頭の中でグランドピアノの左から6番目くらいの音がする。


「い、いやいや。何いってんの木村さん。僕の小説ちゃんと読んでる?面白いと思うよ。まあ最高ではないけどそこそk


「いやマジでクソつまんねえよ」


「‥‥」


「マジで」


「うるせえよ!そんなことねえから!面白えから!評価がついてこないのは時代とかそういうのだから!?埋もれてるだけだから!埋もれてる良作なだけだから!バーカ!胸毛!」


「バーンナッコウ!!」


「いぎっ!」


木村さんの鋭い右ストレートが僕の顔面にヒットする。


「痛え‥なにすんの木村さん!」


「いいから。落ち着いて俺の話を聞けよニーニョや」


木村さんはそう言って語りだした。


「はっきり言うぜ。お前の言う『埋もれてる良作』なんてもんはな。存在しないのさ。『御伽噺フェアリーテイル』なんだよ」


「ウソだ!そんなわけない!」


「残念だけどそうなんだ。『故郷くににいる病気のお父っつあんの治療費を稼ぐ為に歌舞伎町で仕方なく働いてる、元気で素直で純粋無垢なキャバ嬢ミサキちゃん』と同じさ。そうあって欲しい連中が作り上げた妄想なんだよ」


「え?誰?ミサキちゃん?」


「そこはいいんだよ。とにかく。埋もれた良作なんてないんだ。良作は遅かれ早かれ世に出る。必ずな。埋もれないんだよ。だけどお前の作品がそうだって確証はない。むしろ埋もれてる作品のほとんどが良作ではない。だったらどうするか。どうするべきか。誰か親切なユーザーに発掘スコップしてもらうのを待つか?」


「そうだね。掘られ待ちも悪くない」


「え!?」


「え?」


「う、ああそうか。まあ。それじゃダメだ!」


「ええ!?」


「良いか。そんなことしてるヒマがあったら新しい作品を書け。勉強して、挑戦しろ」


「う、うーん」


「なんだよ」


「いや言いたいことはわかるけど」


「あん?」


「僕はどうしたら星が付くようになるかを知りたいっていうか。何が面白いとかはもう自分の中にあって‥‥」


「バーンナッコウ!!」


「べおっ!」


「だったらなおさら研究しろよ。お前、上位にきてる作品読んだことないだろ。てか、ほとんど人の作品読んでないだろ」


「お、おうよん」


「それじゃ星はとれないぜ。いいか。星は評価だ。面白いか面白くないかの絶対的な数値ではないにしても、星をとりたいなら星が多くついている作品を読んで傾向を勉強するべきだ」


「ま、まあね」


「いいか。例えばお前がラーメン屋を開きたいとする」


「唐突だね」


「いいから聞けよ。とある場所にミシュランの星がついたラーメン屋となんでもない普通のラーメン屋が並んでいる。お前が人気のラーメン屋にしたいなら、どっちの店で食った方が勉強になる?」


「まあミシュランだけど。僕は普通のラーメン屋に行くかもね。ミシュラン嫌いだし」


「馬鹿野郎!お前は両方食いに行ってねえ!」


「ええ!?」


「お前は両方食わないで家で試食を繰り返してるだけだ。完全に勉強不足だ」


「そう言われるとそうだな‥‥」


「本当に人気のラーメン屋を開きたい奴は、両方の店を食ったあと。となり町にある噂のニンニクガッツリ系ラーメンも食べに行ってるぞ!」


「知らないよそんな店!教えてよ!」


「自分で調べろバカモン!」


「ヒドい‥‥」


「とにかく、お前は何故自分の作品に星が付かないのか研究するんだな。それを勉強した上で自分の書きたい作品と照らし合わせ、シェイプしていけばいいんじゃないか?」


「そうだね。確かに木村さんの言う通りかもしれない」


「よし。そうと決まったら善は急げだ。今日からしばらく、星が付かない理由を考えろ。そうだな‥‥100個くらい理由を考えたら、一つ作品を書いてみればいい」


「なるほど!」


「ま、頑張れ。応援してるぞ。それじゃ俺は5時に夢中!が始まるから帰るわ」


「うん。ありがとう木村さん」


「アディオス・アミーゴ」



そういうワケで僕は、どうして自分の作品が星100を獲得できないのか。累計100個の理由を考えることにした。


※今回の話し合いは、全て32歳男の頭の中で起きた出来事です。全てフィクションです。



理由1


『勉強不足』


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