1.出逢い



白い肌と黒い髪、そして綺麗で透き通った瞳。


「初めまして、古藤 沙羅です この四月からこっちに引っ越してきました よろしくお願いします」


古藤沙羅、それが彼女の名前。

お辞儀をする姿も、少し恥ずかしそうにしている仕草も全てが綺麗だと思った


「葵〜、何そんなに見てんの?確かにすっごい可愛いけど」


「彼女の前でよく言うわ、馬鹿野朗!」


園田 葵、それが俺の名前

そして話しかけてきたのは、由紀 藤

そしてその彼女の斎藤 朝日


「うん」


その問いの正直に頷けば、藤はえっと声を漏らす。

何か、おかしいことを言っただろうか、思わずえ?と聞き返す


「だって、今まで女子とか興味なさそうだったじゃん」


「そう?」


確かに自分から話しかけたりはしないが、興味がないわけではない

普通に可愛いなくらいは思うことはある


「遂に葵にも春、到来か?」


「やめろよ、そんなんじゃないって」


「あんだけ見つめといてよく言うよ」


そんなに見ていただろうか

でも確かに今、感じたことのない感情が心の中にあることは事実だった


彼女の行動1つ1つに目を奪われ、心を奪われるような感覚


「…」


「一目惚れってやつか」


これは一目惚れというんだろうか。


だけど確かにこの時俺は、彼女に恋をした。



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