召喚された先にいたのは魔王様でした

朝ごはん

第1話もっとマシな死に方なかったん?

「やぁ、私は大魔法使いカミラ。君を残念な死から救ってあげよう」


俺は気がついたら真っ暗な空間にいた。なんだか気持ちいいフワフワした空間だ。

でもなんでだろう?どうしてこんなところに?


「あれー?聞こえてないのかな?もしかして私って影薄い?」


そしてなんなんだこいつは……コスプレイヤーか?魔法使いとか中二かよ…勘弁してくれ


「おい、お前誰だ…ってかここはどこだ!?」


そう聞くと目の前のコスプレ野郎は驚いて


「わぁお!!なんだよ!聞こえてるじゃないか!」


「うるせーよ!さっさと質問に答えろ!」


「最近の若者は怖いなぁ……まぁいい、質問に答えてあげよう。

ここは死後の世界、君は死んだんだ、覚えてない?」


「俺が死んだ?どういうことだ?」


「あー、覚えてないのね。じゃあ君の死因を教えてあげよう。

事故……?いや事件と言うべきか?

まぁ簡単に言えば、君は犯罪に巻き込まれて死んだんだよ」


……そういや、近所のアニ○イトで新刊を買おうとしてたら銃持った強盗が突入してきた気がする……

でも死んだか?俺?

むしろしばらくして警察が来て助かった気が……


「なぁ、俺は助かった気がするんだが?」


「犯罪に巻き込まれた後に救出されたけど、警察官の不注意で防犯シャッターが落ちてきて君の頭に直撃。病院に運ばれたけどあえなく死亡って感じだね」


………

…………………

………………………………


もっとマシな死に方なかったん?


いやいや死んでしまったならそれは仕方ないよ?でもさぁ、なんなん?シャッターが頭に直撃して死にましたーって、アホやん


「ふっ……ふふっ………ふふははっ」


「笑ってんじゃねぇよ!ぶっ殺すぞ!」


「あっはっは!悪いねぇ、面白くってついつい…」


「……俺が死んだってことが事実だとして俺はどうなるんだ?」


「言っただろう?君を救ってあげるって、あまりにもおもし……可哀想でねぇ」


「今面白いって言いかけたよね?言いかけたよね?」


「君をこれから異世界に飛ばしてあげよう。君はそこで新しい人生を送って行くんだ」


「!!?…マジか!俺ってば勇者に選ばれちゃうってことかよ!」


「まぁそんなところだね」


俺はガキにみたいにはしゃいでいた。だって異世界の勇者だぜ?もはやイケメンみたいなもんやん?神やん?


「それじゃあ、そろそろさよならだね。君はあちらの世界の者が召喚したってことで異世界に送られるから、異世界に着いたら目の前にいるはずの召喚者に色々聞くといい」


「あぁ!わかった!」


つまりパターン的には王様か姫様が俺を召喚するんだろ?ひゃっほぅ!リア充街道まったなしだぜ!


「第二の人生を後悔なく生きるようにね」


その瞬間、俺はまばゆい光に包まれ意識を失った




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