道端に落ちていたミンティアには全ステータスを最大値にする能力があったんだが。

中々ななか

プロローグ

西暦20✕✕年、魔界を管理する者は、当の果て少なくなり、魔界は平和を持続することが出来ず、魔界では魔族の戦争が頻発に起き、魔族の人口の数も急激に減少の一過を辿っていた。そして、その戦争の過激さは、異界にまで及び、異界では各地で事故や事件が多発している。それも、不鮮明な程に可笑しいものまでが。こうした被害を受け、魔界の平和復興を企んだ魔界の魔王は、その技術力で魔族でも下等な者に希望を託そうと考えた。


「どうだ、遂に完成したか?」


その問に、作業着姿の魔族技術員は、笑顔でこう答える。


「ーーはい、異界の物に比較的似た、それも、遠方まで特派員を派遣し、神の力さえも集約した、このNo(ナンバー).01があれば、魔界平和も夢ではないと思われます。」


魔王は、技術員の話を聞き、高らかに笑った。そして、安堵し、その場を立ち去った。




(ーーふむ。これで、魔界平和となったら、神への道が近付くというもの。魔界が揺れてなどいたら、私が征服し神になるなど、到底叶わなくなるからな。その点については、さっきのか。我では対応しない、弱い位な代物だと知った時は、大層心を痛めたが、しかし、あれは不服だが神へ従い、我への忠誠心が無くなるのかと、特派員達を心配したが、その心配も無意味でよかったことだ。あとは、これを手にした下等な魔族が、どうにかしてくれることを期待する。まぁ、いずれにしよ、我は神への道を開こうと思うのだがな)


心の中でそう言った魔王は、もしや異界に"あの代物”が行くなどと、思ってもいなかったのだった。

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