夢日記

双頭アト

第01夜 無題


 自然の中。

 車かバスを運転している。

 遠くに緑の広葉樹の山が見える。

 ボルビックのパッケージのような風景だ。

 (ボルビックのパッケージの山が広葉樹かどうかは置いておくとして)


 すると、いつのまにか広葉樹の木の上を走っている。

 広葉樹の木の上を走るという表現(というか現象)は意味不明ではあるが、とにかく、密集した広葉樹のてっぺんをつたうように車かバスを運転している。

 そして夢の中でもその異常性というか、危険性に気がつく。

 普通に登山をしているつもりが、いつのまにかルートを外れて危険地帯に迷い込んでしまった時のような感じだ。

 後ろに誰か乗せているらしく、責任感的な意味でも焦りはじめる。


 しかし、いつの間にか車は普通の道に出ている。

 車専用の公道ではなく、工業地帯を思わせる一般道だ。

 それなりに田舎らしい。

 広葉樹の風景はアルプス的な趣があったが、今は日本的な感じだ。


 進んでいくと、ゴミ処理場らしき場所からスクラップの塊が飛んできて、眼の前をどんどんと横切っていく。

 それが繰り返される。

 当然、アブナイと思う。

「どうなってるんだ。これを企画したディレクターは覚悟しておけ」

 という声が聞こえる。

 (おそらく、安全性に関して責められているのだろう)


 そのまま進んでいくと、学校につく。

 田舎の学校だ。

 いつの間にか車を降りて校舎の中に入っている。

 ここは廊下だが、人で賑わっている。

 小学生くらいの子から高校生くらいまでの子が行き来している。

 今日は卒業式らしい。

 泣きそうになっている中学か高校くらいの少女がいる。

 ただしこの涙は卒業式的な涙ではない。

「(卒業式の時に)***を買わされた」

 と彼女は友達に話している。

 この娘が泣きそうになっている理由はその「***」を買わなければならなかった事が原因ということがわかる。つまり、経済的にダメージを受けたことで悲観的になっているのだ。

 どうやら貧乏らしい。

 しかし、この娘自身もそれは仕方ない事だとどこかで受け入れているのか、ある種の健気さを含んだ悲哀に見える。

 厳しい学校だなと思う。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る