時間の奇跡

黒崎 紅葉

日本の歴史

第1話 敗戦

日本は第二次世界大戦に参戦し負けた。


日本は元々資源が少ない国だ。だから勝てる訳が無いと皆分かっていた、しかし、日本は超能力者により連戦を続けていた。


超能力者とは数人に一人のペースで生まれるこの世界ではあまり珍しくない存在だ。


超能力者の能力は色んな種類があり千差万別だ。しかし、一人の人間が使えるのは1種類のみだと言われる。


そして人口が多くさらに優秀な超能力者が偶然多く生まれ、日本は連戦を続けることが出来た。


その超能力者達の実力は図り知れず、一人で要塞を攻略した例もある位だ。


しかし、その連戦も日を追う毎に辛くなって来た。理由は3つあると歴史学者は言う。


一つ目は資源の問題だ。最初に言った通り日本は資源が無く超能力者によって戦争を続けてきた、しかし、その超能力者が使う刀、ナイフ、拳銃等が作れなくなってきたのである。


それでも日本は各国を蹂躙し続けた、それは偏に超能力者達の尽力だろう、しかし。そこで2つ目の問題が起きた


ドイツの敗戦、これによりイギリス、フランス、ロシアが日本との参戦を発表。そして、日本はイギリス、フランス、ロシア、中国、アメリカ、この5大国、今の常任理事国と戦争することになった。


それでも日本は善戦をした五か国相手に引かなかったのだ。そして、連合軍は最後の切り札を出した。


核兵器の使用だ


ただこれは、広島、長崎に落とした訳じゃ無く。中国、太平洋、アメリカ、この3か所に計10発落としたと言われる。


理由は連合軍がしびれを切らした為だ、この時日本の超能力者のほとんどがこの3か所に居た。その超能力者を殺戮する為、自国で核兵器を使ったのだ。


結果は成功。連合軍にも甚大な被害を齎したが、日本はそれ以上。日本は武器が全て無くなったのと同じ意味だ。


そして日本は負けた。


日本はポツダム宣言を受諾


その後、連合国軍総司令部いわゆるGHQが日本を占領した。


GHQは日本の分解を始めた。


理由は軍事力だ、5ヵ国相手に戦争を続けた軍事力を調べる為5ヵ国は日本を解体した。


その後、日本は連合国軍から5ヵ国に分割統治される。主権が存在しない国になった。


そして、月日が流れ日本は形だけの主権を回復したのだ。


形だけとは、主権侵害を何度も繰り返されるため本当の意味で日本の主権は回復していないのだ。


しかし、5ヵ国は一つだけ完全な自治組織の設立を認可した。それが、『学園』である。


認可された理由は日本の超能力者を狙い5ヵ国が代理戦争まで引き起こしたからである。


それもその筈日本の超能力者達の実力を見せつけられている為どの国も欲しがったのである。


それが切っ掛けで5ヵ国はある条約を締結


『指定教育施設不干渉条約』


これを締結後日本では12校の中高一貫、常任理事国から不干渉の『学園』を作った。


しかし、不干渉に徹すると言いながら、この超能力者達を自分の物にしようと5ヵ国は考え『学園』の校則を作った。


一つ目は日本の大人が信用出来ないと言う名目上、自治を生徒に丸投げしているのだ。


理由は競争を生むためだ。自分達の活動圏内が増えるとそこを目指して競争が生まれる。そして、競争は多くの敗者を作り出すが大きな成功を齎す。


生徒が主体なら子供だから他国にバレずに干渉出来、競争によって生まれた優秀な生徒達を上手に引き抜きが出来ると考えたからだ。


そう考えた5ヵ国は自治を生徒に完全委託した。


自治は治安を守る風紀委員


国会の役割を持つ立法の生徒会


内閣の役割を持つ行政の総統


この3本で『学園』の完全な自治が回る


『学園』の生徒人数は多い。親達が自由を上げる為、多くの子供をこの『学園』に預ける。なので生徒数は一校当たり58万人居る。


これは日本の殆どの生徒が『学園』に入ってることになる。


そしてその『学園』に主人公 碧空蒼時へきくう あおときが入学するのはまだ先のお話。

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