カクヨムの妖精に聞いた!ベストな文字量は?

ちびまるフォイ

連載の文字量ってどれくらいがいいのよ!

「あぁーーん!! どれくらいがいいのかわからないよぉ!!」


カクヨムに登録してはや1年。

何度投稿しても鳴かず飛ばずで自分の作品で感動させたい欲求は募るばかり。


「うーーん。どうして俺の作品は読まれないんだろう」


何度読んでも悪いとは思えない。

もしかして、1話の連載文量が多いのかもしれない。


「ちょっと減らしてみよう! それなら継続して読んでもらえるかも!」


連載している作品の文字量を減らして読みやすくした。

これなら俺を知らない人もスナック菓子感覚で読んでもらえるはず。


スタイルを変えて連載作品を投稿してみた。




「って、ぜんぜん変わらな――――い!!」


結果はダメだった。

1話の文字数を少なくしても効果なかった。

むしろ、カルピスをさらに薄くしたようになってしまい、ますます読者が減った。


「俺はとんでもない誤解をしていたのか。

 読者が求めているのは骨太な読み物だったにちがいない」


軽い読み物で終わっていた作品を書き直して、ボリュームアップ。

カクヨムの中でも屈指の読みごたえがある作品にした。


「よっしゃあ!! これならきっといけるはず!!」


ふたたびスタイルを変えて投稿してみた。




「って、こっちもダメなのかーーい!!」


スタイルを変えてもやっぱりダメだった。

今度は毎話のボリュームが多すぎたせいで読者の離脱が多い。


「短すぎてもダメ。長すぎてもダメ。

 ちょうどいい文字量なんてあるのかよ!!」


すると、俺の叫びを聞いたのかパソコンの画面からズズズと妖精が出てきた。


「私はカクヨムの妖精。なにかお困りかな?」


「実は連載にいちばんいい文字量を探してるんです」


「バカ――!!」


妖精は思い切りビンタしてきた。


「あなたは根本的に誤解をしています。文字の量なんて関係ないのです」


「なん……だと……!?」


「毎話長い文字量での人気作もあれば、短い量の人気作もあるでしょう」


「た、たしかに……」



「大事なのは文字数ではなく、更新頻度なのです!!」



妖精はびしっと指を俺の鼻先に突きつけた。


「私の住むカクヨムにはたくさん作品が投稿されています。

 だから、読み続けられる工夫よりも、読んでもらう努力がいるのです」


「でも……そんなに更新できないですよ」


「その通りです。なぜならあなたのキャラは薄いから!!」


「ぐふぁ!!」


まさかの指摘に口から血を吐いた。


「あなたの作品は使い捨てのキャラばかりなのです!

 大量の更新に耐えられるだけの魅力とバックボーンがないとダメなのです!」


「個性的……なるほど!!」


「ふふ、理解したようですね。

 読者がセリフを楽しみにしてくれるようなキャラが大事なのです。

 それがわかればあとは簡単ですね」


「ありがとうございます! 今、アイデアがひらめきました!」


「個性的なキャラ、思いついたんですね」


「はい! あなたを題材にした作品を書きたいと思います!

 こんな貴重な体験、きっと連載向きなはずです!」






「それだけはやめてくれ。私に連載できるようなネタはもうない」


妖精はすぐにこの小説を完結に設定した。

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