サロゲート (第20回座談会公開済み)
エントリー#22
作品名 サロゲート
作者名 上輪健
作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054881622909
作品のキャッチコピー、あらすじ
『彼が死んだ時、僕も死んだ。 じゃあここいるのは一体誰なのだろう?』
ラッセル・スレイド。
世界各国を渡り歩きながら様々な犯罪をプロデュースする犯罪コンダクター。各国政府から指名手配されながら彼は裏の世界を20年以上生きていた。彼のボディガードとして潜入した捜査官である僕は、ある武器の取引のために彼と共に中東某国へと飛ぶ。
※《カクヨム版伊藤計劃トリビュート》参加作品です。
※多分6~7月頃にSFの短・中編を集めた作品集に化けます
作者からの一言、メッセージ
「飛び込み状態ですが、《伊藤計劃トリビュート》に参加させていただく上輪健です。僕は伊藤計畫のような文体を書けるわけでも、他の人のように自信を持って作品公開ができているわけではありませんが、この作品で伊藤計畫の文章を読んで感じたことを自分の知識を使って自分なりに詰め込んだつもりなので、それを感じていただけたら幸いです。」
座談会
ななせ「記念すべき第二十回『座談会』を開始します」
七瀬 「ついにここまで来たね」
N氏 「ああ。実は、現在エントリー済みと、エントリー予定の作品で25作品は超える見込みとなっている」
ななせ「締切三日前にして、二十五作を越える見込みとは……あれ、そう言えばNANAは?」
七瀬 「彼女なら飽きたから帰ったみたいだよ」
N氏 「正確には――登場させてみたものの、案外動かしづらいキャラで作者がもてあましはじめたからご退場いただいたというところだろう」
ななせ「……まっ、まぁ、僕たちもそのほうが助かりますし、さっそく座談会を始めましょう!(ダメなラノベアニメみたいな理由だな)」
七瀬 「列車は前に進み続けなればならない。終着駅を目指して」
ななせ「今回のエントリー作品は『サロゲート』。作者さんは上輪健さん。ツイッターでは親しくさせて頂いているけれど、小説を読ませていただくのは初めてですね。実は絵も書ける作者さんで、『Never Ending Story』でこの企画に参加してくれたハルヒコさんの次作のメカデザインをやられています。カッコよかったです!」
七瀬 「多才な人には憧れるよね」
ななせ「ですね。そんな上輪健さんの『サロゲート』なんですけど、ここに来てようやく『虐殺器官』直系の作品がやってきましたね。銃撃戦などのミリタリー要素もあって、エンタメ作品としても面白く読めます」
七瀬 「物語の雰囲気が洋画のよう――まるで映画を見ているような軽快な面白さがあったと思う」
ななせ「それは僕も感じました。上輪健さんは『ORB:Moviesー上輪健の映画日記ー』という『映画エッセイ』を書かれていて、おそらく意図的に洋画の雰囲気を作品の中に持ち込んでいるんだと思います。こちらのエッセイは読ませていただいてるのですが、僕の好きな作品が並んでいて好みが合うなあと勝手に思っています」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882480275
七瀬 「なるほどね。さて、エントリー作品の話しに戻ろうか」
N氏 「『サロゲート』というタイトル通り――『代理人』、『代行者』を決める物語だ。そして、『ラッセル・スレイド』という『犯罪コンダクター』を巡る物語で、主人公は世界中で犯罪をまき散らす彼を逮捕すためにスレイドのボディガードになって、彼の懐に潜入をする。その潜入捜査中に、スレイドを逮捕するだけの証拠を上げようとするのだが、という話の筋だ」
ななせ「『虐殺器官』の主人公クラヴィスが、ジョン・ポールと行動を共にしていたらというIFを描いたような話でしたね」
N氏 「そこは明確に意識していたように思う。スレイドのもつ『同調言語』という能力を見ても、『虐殺の文法』に変わる可能性として提示されてのではないだろうか?」
ななせ「『同調言語』は、使用者の感情を相手に同調させる能力です。主人公は、スレイドと行動を共にしていることで少しずつ彼と同調をしていくんですけど、これは潜入捜査官ならでは面白さでしたね。現実でも十分起こり得る恐怖だと思います」
N氏 「9.11後の世界を描いている点も、伊藤計劃氏直系と言っていいだろう。」
ななせ「『虐殺器官』の初版の帯が『ポスト9.11後の罪と罰を描く』でしたからね。その後、『宮部みゆきさん大絶賛!』っていうのに変ってましたけれど……」
七瀬 「それは忘れよう」
ななせ「個人的には、短い話しの中に伊藤計劃的おもしさがギュッと詰まったトリビュートに相応しい内容だったと思います。あと、僕が読みたいなあと思っていたミリタリー要素のある物語でもあったので個人的には大満足でした」
N氏 「ふむ。次回の作品にも期待したいところだ」
ななせ「偉そうにっ! では、次回の『座談会』で会いましょう」
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