第3話

なぜ私の服を脱がせている?


ベッドに引きずり込んだトールのシャツのボタンを一個ずつ外している間

抵抗するわけでもなくトールは俺に質問してきた


トールの作ったお粥というやわらかい食べ物を体内に流し込み、手渡された小さな丸くて固い粒を3粒そのまま飲み込んだところで

無性にトールの匂いを嗅ぎたくなったから



風邪移したら、まじぶっ飛ばしますよ


大丈夫、匂い、嗅ぐだけ


シャツをはだけたトールの胸に頬ずりしながら深く息を吸い込んだ


あったかい‥

あぁ‥俺、この匂い好き

なんか好き


人間の身体って

おもしろい


トールが俺の頭を撫でている


早く、風邪、治してください


朦朧とした頭の中にトールの声が響いた‥


あ‥いま、額に感じた柔らかいモノ


トールの唇かな‥


いったい何をしたの‥?


この感じが

嬉しいっていうヤツかな


‥だめだ‥俺、眠い‥


思考停止‥‥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る