淡い水彩絵の具のような柔らかな文章で綴られる、温かい作品でした。登場人物も魅力的で、文章も読みやすく、どんどん引き込まれました。ひとりは、ひとりにして成らず。ひとりを認識するもうひとりがいるからこそ、ひとりは成り立つのだろう。山桜も法師もひとりであり、ひとりでない。だからもう大丈夫だ...。そんなことを考えながら読ませていただきました。