小さな祈り
萱草真詩雫
俺の夢
ただ生きたかった。
世の中に、死にたいという人は何万人といる。
その中で、俺は生きたいと強く思う人間の一人だ。
ごく普通の生活をして、好きな人と一緒によぼよぼのおじいちゃんになるまで生きて、平和に一生を終えたい。
俺の望みはそれだけ。
それだけだった。
…なのに、医者に言われたのは。
『涼君、残念だけど…長く生きるのは難しいんだ』
絶望にも似た言葉だった。
俺の病気は生まれつき心臓が弱い。
物心ついた頃から病院のベッドの上の生活を送っている。
ドナーが見つかれば、手術が出来るけど。
ドナーが見つかって手術をした所で、その成功率は30%だ。
決して高いとは言えない数字。
…どうして?
俺は、ただ生きる事だけが唯一の夢なのに…
神様はなんて不公平なんだろうか。
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