#47
美木本は第9地区のコンテナ倉庫に来ていた。
倉庫の中はSCARの工作員達が慌ただしく何かの準備をしていた。
『ファントムはいるか』美木本は構成員に言い寄った。
『奥に・・』言葉少なに奥を指差す構成員。
*
奥の扉を勢い良く開けると、美木本はまくしたてるように怒鳴った。
『だから!あの時ちゃんと始末しておけば良かったんだ!』
『どうしたんですか、美木本さん』部屋の奥で大きなソファーに座りながらファントムは少しからかうように問いかけた。
『クロウだ!あいつが来た。 ”T-ロック”の件もバレたぞ!』
『こっちは何の問題もありませんよ』
『どういう意味だ?』
『最初から、俺達は”T-ロック”なんて物には興味はないからな』
『な・・なんだと?』
『俺が欲しかったのは、あんたの用意した爆弾だ』
『・・・・お前・・何を企んでる・・?』
『もう、あんたには関係ないことだ』
『”T-ロック”の件が世間に知れ渡ったら私は捕まる・・助けてくれ』
『あんたがベラベラ喋ったからだろ、俺には関係ない』
『もし、私が捕まったらお前たちの事もバラすぞ』
『そうか、ならここで死ね』
『・・・・・』言葉を失う美木本。
『死にたくなかったら、何も喋るな・・・少なくとも俺達の計画が実行されるまで』
『お前たち・・何をするつもりだ・・?』
『パーティってとこかな』
外は少しづつ朝日が昇り始めていた。
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