#47

美木本は第9地区のコンテナ倉庫に来ていた。


倉庫の中はSCARの工作員達が慌ただしく何かの準備をしていた。


『ファントムはいるか』美木本は構成員に言い寄った。


『奥に・・』言葉少なに奥を指差す構成員。






奥の扉を勢い良く開けると、美木本はまくしたてるように怒鳴った。


『だから!あの時ちゃんと始末しておけば良かったんだ!』


『どうしたんですか、美木本さん』部屋の奥で大きなソファーに座りながらファントムは少しからかうように問いかけた。


『クロウだ!あいつが来た。 ”T-ロック”の件もバレたぞ!』


『こっちは何の問題もありませんよ』


『どういう意味だ?』


『最初から、俺達は”T-ロック”なんて物には興味はないからな』


『な・・なんだと?』


『俺が欲しかったのは、あんたの用意した爆弾だ』


『・・・・お前・・何を企んでる・・?』


『もう、あんたには関係ないことだ』


『”T-ロック”の件が世間に知れ渡ったら私は捕まる・・助けてくれ』


『あんたがベラベラ喋ったからだろ、俺には関係ない』


『もし、私が捕まったらお前たちの事もバラすぞ』


『そうか、ならここで死ね』


『・・・・・』言葉を失う美木本。


『死にたくなかったら、何も喋るな・・・少なくとも俺達の計画が実行されるまで』



『お前たち・・何をするつもりだ・・?』




『パーティってとこかな』



外は少しづつ朝日が昇り始めていた。

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