召喚チート能力者の異世界生活

4話 チート能力があると、戦いって楽勝だよね

　食事を終えて宿屋のベッドで横になって考える。明日からの行動を。

　「まずはゴブリン狩りをすることが先決だ…俺に恐怖を与えた事は万死に値する」

　この能力を手に入れて俺はある意味最強の力を手に入れたと同然。だが不安が無いこともない。まずは装備をしっかり揃える必要がある。再び図鑑を召喚して武器を調べることにした。

　翌朝、朝食を取ってから俺は気合を入れて宿屋を出て行く。魔物狩りをして大金を稼ぎ、家を購入する事！これが第一目標である！まずは宿や生活から抜けること！これが一番大事な事だ！

　町の兵士にギルドパスを見せ、俺は町をあとにする。兵士は俺の姿に首を傾げるが、これが最善だと思った装備である。

　拳銃2丁装備し、右手にはサブマシンガン。相手は刃物を持っていたことを思い出し俺はこれを出したのだ。できればマグナムとかを装備したかったが、図鑑ではシロートが持つようなものではないと書いてあり、俺は諦めた。

　草原を超え、森の中へと入っていく。なるべく早く見つけ町に戻ったほうが良いとは思うのだが、そんな簡単に魔物は見つからない。こうも見つからないのなら、何かしら違う方法を考えたほうが良いだろう。俺はステータス画面を呼び出し、ステータスを調べていくと、気配察知というを発見する。

　何かしらの説明書があれば良いのだが、そういった物は見つからず、再び一か八かで気配察知をスキルに追加させる。こいつもスキルポイントが10も消費してしまうのでもったいなく感じてしまうのは俺の性格というものなのだろう…。

★――――――★

名前：鈴木すずき太一たいち

レベル：3

力：４

器用：5

体力：6

魔力：4

スキルポイント：20

【スキル】

アイテムクリエイト（物を生み出す力）

異世界言語

異世界文字

射撃：１

気配察知：１

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　これにも1という数字が付いたということは、気配察知レベルを高くすればもっと細かく察知ができるということなのだろうか…。説明書が無いからわからないのだが。

　だが、この気配察知を身に着けた事により、敵の居る位置が何となく分かるようになった。俺は気配がする方向へと進んで行くと、お目当てのゴブリンを発見する。ゴブリンの数は3体…何か談笑しているようで、俺には気が付いていない。俺はベレッタをホルスターからベレッタを取り出ししっかりとゴブリンの頭を狙う。そして確実に1体を仕留めると、残りのゴブリンが俺に気が付く。何か叫んでいるようだが、そんなのお構いなしに俺はゴブリンを射殺した。

　「これで300ガルボ…良いね…儲かるね」

　相手は人間ではない。多分、俺は感覚が麻痺してしまったのだろう…もしくは、この世界に適応しているのかもしれない。

　合計で25体のゴブリンを仕留めることに成功し、俺はホクホクの笑顔で町に帰ることにした。

　「これで2,500ガルボか…随分と儲かるじゃないか」

　町に到着する頃には既に日が陰っており、昼を食べてない事を思い出す。

　「ギルドで何か食べてから宿屋に泊まるか…」

　兵士にギルドパスを見せ、その足でギルドに直行する。ベガルタさんに買い取りをしてもらうと、ゴブリンの量にダレルさんを含め皆は驚く。この様子を見る限りでは、ちょっと目立ちすぎている気がするので自重が必要かもしれない。

　そんなことを思いながら俺はギルドで食事をしていると、ダレルさんが俺が座っている席の前に座り話しかけてきた。

　「なぁ、タイチ」

　「モグモグモグ…なんですか？ダレルさん…」

　「明日から初心者講習ってのをやるんだが…お前も参加してみないか？まぁ、お前みたいにゴブリンをあんだけ狩ることができる奴だから参加する必要はないが…」

　「初心者…講習？」

　「あぁ、お前みたいに新人を研修する講習会をたまに開いてるんだ。折角なった冒険者だ。すぐに死んではたまったもんじゃないだろ…だから初心者を鍛えるために行うんだよ」

　「へぇ…そうなんですか…」

　「期間は一週間。宿や飯は全部ギルド持ちになる…どうだ？」

　「宿と食事はギルド持ちか…」

　「ちなみに女も参加する」

　「う〜ん…女性も参加するのか…」

　「まぁ無理とは言わないが…ほら、あの子も参加するぞ」

　魔道士風の女の子。かなり可愛い…。

　「ま、まぁ…冒険者のイロハって奴を教えてもらえるのなら…受けても構わないかな」

　別に女の子に惹かれて受けるわけじゃない。い、生きていくためには知識が必要だと思ったからだ…や、やましい気持はないぞ！

　翌日になり、ギルドに行くと練習場に連れて行かれる。ギルドの地下にこんな場所があるとは知らなかったがかなりの大きさだ。

　今回の講習を受けるのは俺を含めて10人程おり、男性5人、女性5人と半々であった。

　ダレルさんの号令で始まるこの研修。まずは自己紹介から始まった。皆、この間冒険者になったばかりらしく、まだ鶏やウサギなどの動物しか倒したことのない連中だそうだ。ゴブリンを倒したことのあるのは俺だけらしく、皆、尊敬の眼差しで俺を見ている。

　ダレルさんが俺達に腕輪を渡し、それを装着するように指示をする。何の腕輪かわからないが、俺達はそれを装着すると、ダレルさんの表情が変わる。

　「その腕輪は魔法の腕輪だ。今日から一週間、この講習から逃げれないようにするための腕輪…。もし逃げたらその腕輪から毒針が出てお前らはお陀仏だ…」

　な、なんだって！

　「今日からお前達に冒険者のイロハを教えてやる！最低でもゴブリンを倒せる程の強さを身に着けてもらうから覚悟しろ！蛆虫共が！」

　まさかこんな事になるとは…俺達の誰一人、このような予想はしていなかったのであった…。