The honest mirror
あ゛~やだやだ。
なんで毎日毎日同じこと訊かれて同じこと答えなきゃいけないんだろ。
こんな生活もう飽きたよ。あの方はよく飽きないよねえ。
私も一応いろんなこと知ってはいるからさあ、国で起こってる問題とかについて相談してくれればアドバイスくらいはするよ。
でもあの方は違うの。私に質問するのはいっつも自分のことばっか。自分が一番であればそれでいいと思ってんの。はあ…
「あんたは一番なんかじゃない」って言ってやろうかと何度も思ったよ。でもどうしても言えなかった。
だって、
だから、どんなに気に入らない事実でも言わなきゃいけなくて、本当に嫌だった。
でも、今日からは違う。あの子のおかげであんな生活とはおさらばだ。
だって、今や一番はあの子なんだから。
私、あの方は好きじゃないけどあの子は好き。美しいだけじゃなく、優しいから。
これからは、私の好きなあの子が一番なんだって言えるんだ。
私がずっと言いたかったことを言えるんだ。
だって、
あの方、どんな顔して驚くかな? やっと一泡吹かせられると思うとなんかワクワクしてきちゃった!
っと、そんなことを考えてたらあの方が部屋に入ってきたぞ!
こっちに向かって歩いてくる! どんどん近づいてくるぞー! もう目の前だ!
ほら口を開きかけてる! いつものセリフがくるぞー!
「鏡よ鏡。この世で一番美しいのは誰?」
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