後輩へ

少し前

何気なく私は

そこに一本の木を植えた


その後すぐに私はそこから離れ

自分なりの道を

曲がりくねりながらも歩き始めた


そこに植えた木の事なんかも忘れ

右往左往しながら歩いていた


そんなある日

私は自分のパートナーを見つけ

その人と共に歩むことを決めた


その為に今まで溜め込んだ荷物を片付ることにした


荷物はいろいろと出たきた

大切にし過ぎて使えなかった物

気に入って何回も使った物

少ししか使わなかったけど役にたってくれた物


出しては使うかどうか考え

出しては要るかどうか考え

ふっと鞄の一番奥に

封筒が入っていた


そこにはその植えたばかりの木と

その時の仲間達のメッセージが入っていた


その時から私はいろんな人に支えられていた


そして何とか自分を残したくって

その木を植えた事を少し思い出した


その木が今どうなっているか

人づてに聞いた


私が見ない間に

立派な大樹に育っているそうだと


その木を

私たちがバカ騒ぎした

あそこの後輩たちが育てていると



あぁ

今度その木を

私のパートナーと見に行こう


私たちの始まりの場所をもう1度訪れてみよう



そしてその木を大切に育ててくれた後輩たちに

「ありがとう」

と感謝の気持ちを伝えよう



その当時言えなかった人々への感謝も籠めながら

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