第49話「神父様暗躍す2」
「明日は授業参観日だな!」
獣王様が嬉しそうに言いますが。私は抜け殻です。
「マイルズちゃんの学生服姿楽しみね」
獣王様と王妃様。ポチの事を楽しみにしてください。
「明日は男装権を行使するのです!」
「なんじゃと!」
「なんですと!」
うふふふふ。
「明日はルカスも来るのだぞ?」
「リーリス様もいらっしゃる伺ってますわ」
驚愕の表情を浮かべるお二人。
「「仮装して大丈夫なのか?」」
夫婦仲よさげでうらやましい限りなのです。
ですが、大丈夫なのです!
その後も制服の良さを語るお2人を制して私は眠りにつきました。
翌日。
「マイルズよ、愛らしい格好をしておるのう」
「絵師。絵師はどこ!」
浮かれる祖父と祖母。
はい、いつもの癖で普通の女子の制服で来ました。
うん。
やっちまった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
とある異世界宗教の7大幹部、その1人----
プロジェクトクラーケンは順調である。
儂はその昔は元の世界にいたころはドラゴン。
つい先日は聖竜プロジェクトにかかわっておった。
前者はゼロから作り上げたため強度不足、骨の素材が自重に耐えられず崩れるというちょっとした醜態をさらして居る。査問会議の為渡欧間際にこちらに流れ難を逃れた。
こちらでは先に流され国を興して居った人形から予算と人員をふんだくって、そして何とかベースとなる竜を確保、されに高度な操作技術が居る聖竜をコントロールするのに、肉体リンク技術者である狂信者である【正義】のドゥガが手を挙げてくれたおかげで歓声を見た。濁った眼に光が宿り我らの味方として動き出した聖竜は壮観、その一言であった。
故に儂は自信を持っていた。
クラーケンは聖竜プロジェクトで得た竜骨技術によりゼロからの作成が可能じゃ。
くふふふふふ。
人形の言うとおりにするのは癪だが、この混乱を人形への反抗としてやろう。
グルンドの計画とて制約のストーカーの正義に、奴らが来たことから失敗を予測して動いているであろう希望。きっとバラバラに動いて失敗するであろうしのう……。 という事で儂は現在クラーケンのお肌にこだわりを見せておる。
深夜の獣王都。開けた場所で認識曽我結界の元楽しい作業であった。
しかしながら、今夜儂は儂はやることがあった。
兄(部下)の内偵である。
やつの行動がおかしいのはつかんで居る。教主より別口で任務を帯びているのであろうか……。全くあの人形、手腕だけは巧妙になりよる。目的に行きつかぬ間抜けではあるがな……。
という事で儂はとある民間の屋根裏に潜んで居る。
慣れたものである。
「さて、皆さんお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます」
兄(部下)が慣れた口調で話し始める。
その相手である出席者を見て儂は驚愕する。
……マナ殿。
儂の雇い主が居た。彼女は生粋の獣人であったはず。
しかも彼ら獣人は半精霊である。人類種の中でも神に最も近い種族がつたない人間の宗教などに傾倒するだろうか……。
ほかにもどこかで見た顔が並ぶ……。
「本日の議題ですが……うちの妹が泳げない件についてです」
「エルルちゃん。かなづちなんですってね」
うむ。女将よ、その情報何処から……。
「それについては、最近食の聖女様が画期的な提案をしているとか……」
「学園の通う我が娘から、有力な情報を得ています。詳細についてはこちらに……」
懐から取り出される紙。儂からは死角で見えん……。
「ありですな……」
「ありね……」
「ありっすね……」
「ではありという事で、食の聖女様からサンプルケースには補助金を出すと言われておりますんで金銭面はご安心ください……」
兄(部下)がそういうと皆に目くばせをして思わせぶりに笑う。
そして儂には聞こえんが皆声をそろえて呟く。
「「「「「……全ては幼女の為に」」」」」」
……聞こえんかったが、何かしらの合言葉であろうか……。
儂は気づかれないようにそっと場を離れ何食わぬ顔で帰宅した。
これで兄(部下)が儂を裏切り、儂の苦手な水関連で何かを企んでおり、儂がここで築いた基盤が揺るがされそうだという事だけはわかった。
ふむ。何やら面倒な気配がするわい。
プロジェクトクラーケン。急がねばなるまい……。
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