ぐんまーちほーであーそぼ!4

「それで、あなたの出身地って――」

「はい、群馬県という場所です」

「ぐんまけん?」

 サーバルは首を傾げている。

「はい。自然と作物に恵まれた素敵なところなんですよ」

「へぇーいいなー! 住処にするには最高だね―」

「えへへ、そうでしょ」

 女の子は、微笑みながら言う。

「えっと……何ていう名前だっけ―? ぐ、ぐ、グン――」

 頭にハテナを浮かべながら、サーバルは言葉を思い出そうとしている。

「群馬県ですよ。ぐ・ん・ま・け・ん」

「ぐ、ぐ、ぐん……」

「うん。あっているよ。もうちょっと!」

「ぐ、ぐんま……んま……」

「そうです!」

「グンマー?」

 サーバルが、何かの悩みから解き放たれたように、グンマーという言葉を口にする。

「えっ……! 何でそこで言葉を略しちゃうの?」

「りゃ、りゃくす?」

 サーバルが不思議そうな顔をして言う。

「そうだよぉ! どうして『ぐんま』までちゃんと言えたのに、突然『グンマー』になっちゃうの!?」

 女の子がほっぺたを膨らませて言う。

「うーん、なんでだろー? 言いやすいからかな―?」

 サーバルは特に考えずに言う。

「もぉ! 単純なんだから!」

「ごめんねー、でも『グンマー』でも可愛いでしょー?」

「か、可愛い……?」

「うん! なんだかくまさんのクマーみたいなのをかっこよくした感じがするし」

「???」

 女の子の頭にハテナが大量生産される。

 サーバルの独特な感性についていけていないようだ。

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