え? いじめ? そんなものは最初からなかったんちゃう?

 地元、何かお盆を過ぎて涼しくなりました(※執筆時)。これが一時的なものなのか、このまま一気に秋が深まるのかまだ予断を許しませんが。

 毎日暑い暑い言ってたので急に涼しくなると拍子抜けしますね。やっぱり過ぎていくと淋しいものがあります。夏、カムバーック! 今日は君がいた夏とか、夏が終わるとか、そう言う夏を惜しむソングを聞いて感傷に浸ろうかな。


 昨日は各地で記録にない豪雨情報がネットニュースを飾りました。まずは沖縄の西表島で午前10時までの1時間に約120ミリの雨が、次に石川で午前11時30分までの一時間に約100ミリの雨が降ったのだとか。大雨の降った地域で大きな災害が発生しませんようにと願うばかりです。


 さて、昨日は埼玉で車を密室状態にした練炭集団自殺が発生してしまったり、京都銀行の行員が顧客の11人の口座から計5634万円を着服していた事が発覚して解雇されていたり、岐阜で保育士が昼寝で寝ていた女児の手を自分の股間に押し当てていた事が発覚して逮捕されたりと、この他にも様々なニュースがありました。


 今回取り上げるのは市役所の手のひらクルー問題です。自分に火の粉がかかると分かるとこんなにもあからさまに態度が変わるのですね。本当に酷い話です。


 6年前、佐賀県鳥栖市立中で当時1年の男性(19)が同級生十数人から約7カ月にわたって殴る、蹴る、エアガンで撃たれるなどの暴行を受け、多額の金を恐喝された事件がありました。

 市教委は記者会見で「犯罪に等しい」といじめを認め謝罪しましたが、男性が学校の責任を問う訴訟を起こすと態度を一変させます。


 校長が「エアガンの威力は小さい」とする報告書を提出するなど責任回避の姿勢を強め、今も重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ男性はさらに傷つけられているそうです。


 いじめの発覚後、男性は重度のPTSDと診断され、登校出来なくなりました。県警は捜査に乗り出し、同級生数人を児童相談所に通告します。

「重大ないじめと言っているが、犯罪に等しいだろうと思っている」。鳥栖市の天野昌明教育長は13年3月に開いた記者会見で陳謝しました。


 市教委は会見で、男性が同級生十数人からたたかれたり蹴られたり、エアガンや改造銃で撃たれたりした上、数十万円を恐喝されたと説明。学校の保護者や市議会にも同様の説明をし、同5月号の市報には「今回、市内中学生による深刻ないじめ事案が発生し、市民の皆様に大きな衝撃を与え、ご心配をおかけした事をおわび申し上げます」と記載しました。


 男性と家族は「これから前を向いて生きるためには、残忍な暴力と、学校が対応を誤った事実を明らかにする必要がある」として、15年2月、同級生8人とその保護者、市に計約1億2700万円の損害賠償を求め、佐賀地裁に提訴します。

 すると、市は態度を一変させました。ほとんどの暴行を否定する同級生の言い分に沿う形で、「犯罪に等しい」行為とまで断じたいじめを「知らない」と主張するようになったのです。


 市はかつていじめを認めた理由について、訴訟の中で「当時は多額の現金が脅し取られたことや、激しい暴行があったことを加害生徒に認めさせようとする(男性の)母親らの要請が厳しく、学校や市教委はそれに従う形で対応せざるを得なかった」と説明しています。

 その後、訴訟で認めなくなった理由について、市教委は取材に「事実関係は被告生徒らの認否や陳述書などで明らかになった点も多い」などと回答しました。


 男性は8月20日(※執筆時)から始まる尋問で初めて証言台に立ち、被害体験や心境を語ります。「当時を思い出すと身も心も壊れそうになる。でも、大きな壁を乗り越えられるよう、頑張りたい」と打ち明けました。


 男性の支援を続ける「全国学校事故・事件を語る会」代表世話人の内海千春さんも「いじめの事実を認めない市の姿勢は、苦しみながら何とか生きようとあえいでいる男性への加害行為だ。被害者救済の視点が完全に抜け落ちている。行政は自らの調査で把握した事実は事実として認めるべきだ」と語ります。


 ねぇ、この市の態度、ゲスすぎない? 何か物語に出てくる悪徳市長の顔が思い浮かんでしまうんですけど。無関係な時はいじめだ犯罪だと言っておきながら、責任を問われたらあれはいじめじゃないから責任取らんよって……。


 当時いじめを認めた経緯の言い訳も母親がしつこかったから仕方なくって……無責任すぎませんかコレ。呆れてものも言えません。こんな対応をされたら誰だって人間不信になりますよ。


 人間の愚かな部分が浮き彫りになったこの裁判、どうかいじめ被害者側の言い分が通りますようにと願ってやみません。いじめ、ダメ、絶対!

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