タリウム事件裁判
物語には悪役がつきもので、その悪役は時に人の心が理解出来ないキャラだったりします。全て計算で動き、感情も計算で導いた結果と言う情報として考えているようなキャラ。専門用語で言うサイコパス。ま、こう言うキャラでないと冷酷な悪事は引き起こせませんよね。
と、言う訳でこのサイコパスですが、現実にも存在しているのです。普通に考えてこれもある種の障害ですよね。そして障害のある人はそのリスクと引き換えに何か特別な能力を授かったりしている場合もあります。有名なものではサヴァン症候群。一度見たものを克明に覚えていて、後は何も見ずに詳細な絵を描けたりするアレです。
その流れでサイコパスの人の中にはまれにすごい天才がいたりします。実際に歴史に残るような大天才の中にもサイコパスの人は何人もいたのではないかという気がします。そう言う天才のエピソードなども伝記とかで残ったりしていますしね。
勿論多くの悪党にもサイコパスはいた事でしょう。サイコパスはその特性から悪人に多いイメージがあります。ただし、サイコパスだからと言って必ず悪党になる訳ではないと私は考えます。周りのサポートがあれば悪事に染まらずにその吐出した才能を社会に役立つ方向にも活かせると思うんです。
と、言う訳で今回取り上げる話なのですが――
2014年に名古屋市のアパートで77歳の森さんと言うおばあさんを殺害し、12年には同級生2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元少女の裁判員裁判が7日、名古屋地裁であったそうです。元少女は被告人質問でこういう事件を二度と起こしたくないと思うと語ったと言います。
この事件、発覚した時はちょっとした騒ぎになりましたよね。当時もサイコパスの犯行だと話題になりました。この頃でしたっけ?九州の方で起こったこれまた未成年の殺してみたかった事件……。衝撃度ではあちらの方が大きかったなあ。
事件発覚後、ネットで名前が特定されて加害者の家族も悲惨な末路を辿ったんですよね確か。今回の話とズレますのでこれ以上は語りませんけど……。
元少女は弁護人から遺族や被害者への思いを問われて
「反省というものが分からない」
「謝罪したいというのは、どの被害者にもあるが、謝罪の仕方がまだ分からない」
と、述べたそうです。
元少女はこれまでの公判で下を向いている事が多く、検察側にこの点を指摘されると、つらかったと語り、自分の感覚と被害者の感覚がずれていて自分の知らなかった苦痛が見えてショックを受けていたと続けたそうです。
公判前は森さんの遺族の思いについて、生活の不便から怒りが出る、と想像していたそうです。
けれど、森さんを失った事そのものが怒り、悲しみに繋がっていた。それは思っていなくてびっくりしたとふり返ったのだとか。
うーん、まるで物語みたいだけど実際の事件なのよねこれ。絵に描いたようなサイコな方です。ネットでの意見は更生の余地なし、一生外に出させないで欲しいと言うものが殆どでした。当然、それ以上の過激な意見も多かったですね。
こう言う人は確かに人の感情を読むのが苦手ですが、知識としてこれはいけないって学べば基本守ると思うんですよね。頭はいい訳ですし。彼女も頭脳で言えば天才肌だったので、もし環境が違っていたら、こんな犯罪を犯さずに今もどこかでその頭脳を活かしていたような気がします。
これが物語なら世間では死刑とか病気とかで表向き死んだ事にしてその実、観衆の目の届かない特別な施設に入れられて、お役人の監視のもとでその頭脳を政府とか国家の為に利用されたりするんですが――まぁ、実際は多分そんな事にはなりませんよね。
サイコな人でも世間とうまく折り合いをつけて生活している人が殆どだと思います。程度の差こそあれ誰もが100%他人の気持ちが分かるって訳でもないですし。とは言ってもここまで気持ちを理解出来ない人は稀だと思いますが……。
えーと、結局何が言いたかったかと言うと、折角頭がいいんだからこんな結果になってしまったのは残念だなと。本当、環境次第だと思うんですよね。
じゃあ天才じゃなかったらどうなんだって話にもなるとは思うんですけど、特に社会に役立つ能力のないサイコパスの人はまぁ……怖いですし、あんまりお近付きにはなりたくはないかなぁ(汗)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます