第9話 レイヤーとカメラマンの関係性

 続いては、写真撮影を担当する『カメラマン』氏についてのお話です。日本のコスプレでは、写真にて記録を残しておく事がほとんどですので、かなり重要な立ち位置の方々です。







 ひと昔前ですと、『レンズ付きフィルム』でレイヤー同士でお互いに撮り合うのが普通でしたが、少し前からはかなりハイクラスなデジタル一眼レフとフラッシュを常時装備して、専門的に写真を撮る方々が出現しました。それらのカメラマン氏が撮る写真は、普通の写真とは一線を画すクオリティの写真で、まるで2次元を再現しているかのようでした。


 そういったカメラマン氏に撮影してもらう事は、レイヤーにとっても有り難い事で、自身のコスプレのクオリティをさらに底上げしてくれるものです。そして一部のレイヤーさんには、腕のあるカメラマン氏に撮ってもらう事が、ある種のステータスになっている部分はあります。


 ただ問題点もあります。

 どういう訳だか、カメラマン氏の男女比が男:女=9.5:0.5(筆者の経験則)で男性が圧倒的に多く、それ故に女性レイヤーさんとの色々な男女の揉め事を引き起こしている事が上げられます。

 具体的には、女性レイヤーさんと男性カメラマン氏が一対一で個撮をしていて、男性カメラマン氏の方が性的な意味で手を出してしまう、などが聞かれます。そのため『個撮お断り』を公言している女性レイヤーさんもかなりおります。

 また男性カメラマン氏ですと、一緒に居る男性レイヤーには目もくれずに、女性レイヤーさんのみ撮影するといった偏った贔屓をしてしまう方もおられます。私もそれをやられた経験があります。

 これに関しては、撮りたいものを撮るのは普通の事ですし、私だって可愛い女性を拝見して目の保養をしたいと思いますし。男としては「まあしょうがねぇなぁ~」と思っています。






 色々問題点はありますが、現在のコスプレ業界を支える一分野の方々ですので、レイヤーとカメラマン、双方が支えあって有益な写真作品を作り出して行って頂きたいと思います。


 さらに最新の現場では、レイヤーさんもデジタル一眼レフを所有して、レベルの高い写真を撮る方々も増えてきています。レイヤーさん同士での撮り合いという昔の形が、また復活してきている、そんな感じかと。


 ちなみに、日本国内では動画撮影などが禁止になっていて、作品として残す場合は写真がほとんどなのですが、海外に目を向けると、動画の撮影や舞台での即興芝居エチュード(海外では『マスカレード』と呼ばれているそうな)など、その表現方法は多岐に渡っております。こういった所は、文化の違いなんでしょうね。

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