第638話道彦と亜美の新居
道彦と亜美は、結婚に際して新居を探すことになった。
道彦
「なるべく広くて新しいマンションにするかな」
亜美
「そうね、子供もたくさん欲しい」
道彦
「カフェ・ルミエールにも近いほうがいい」
亜美
「そうね、文化講座もあって、夜遅くなることもあるから」
・・・・様々、マンションなどの物件を見て回り、最後は財団の関係する不動産会社の推薦の白金台の空き家に落ち着いた。
道彦
「でも社宅扱いかもしれない」
亜美
「買い取った場合と、どっちが得なのかなあ」
道彦
「生活に便利かどうか、暮らしてから決めればいいかな」
亜美
「それにしても、どうして空き家?一等地だよ、広いし・・・ここ、外装も内装も設備も立派なのに」
道彦
「何でも、持ち主が海外出張して、そこの生活のほうが気に入ってしまって、そこに住みつくに決めたんだって」
「そうなると、この屋敷が不要」
亜美
「へえ・・・日本に帰った時にも使わないのかな」
道彦
「不動産会社の担当が言うのにはね、家は住んでいないと、すぐにダメになるんだって、前の持ち主も、すぐには戻れそうもない、でも、それを気にしていて、なるべく早く信頼のおける人に住んで欲しいって条件をつけたらしい」
亜美は、ニッコリ。
「へえ・・・そうなんだ・・・ラッキーだなあ」
道彦は、亜美の笑顔で安心。
「僕は、亜美さんとの出会いのほうがラッキー」
そんなことをいうものだから、亜美は赤面。
「もう!急に・・・」
と抱き付いてしまう。
道彦は、そんな亜美をしっかりと抱きしめる。
「ありがとう、亜美さん」
亜美は、泣き虫、また泣いてしまった。
「うれしい、幸せ」
そんな言葉を繰り返すだけ。
しばらく抱き合っていた二人は、各部屋を再点検、満足して「予定の新居」を出た。
亜美
「いろいろ、生活の準備をしないと」
道彦
「その前に結婚式とか披露宴の準備もある」
亜美
「お父様とお母様に、まだご挨拶していない、それが不安」
道彦
「年末に来るかな、その時に話す」
「その後、新年にね、大旦那の京都のお屋敷で一族集まって宴会するの」
「亜美さんも、いずれは参加するようになるよ」
亜美
「え・・・マジ?怖いなあ・・・身分が違う」
道彦
「そんなことない、僕が選んだ人は、心配ない」
亜美は、また道彦に抱き付いた。
「守ってね、絶対に」
亜美は、震えている。
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