第618話由紀と史のデート?(7)
ルクレツィアは電話を終えて、ニッコリ。
「すぐ近くのフィレンツェ料理店を予約したよ」
そのルクレツィアに、史も笑顔で応える。
「はい、ルクレツィアさんが、選んだお店なら大丈夫です、お任せします」
さて、由紀には、早速、母美智子からスマホにコールが入った。
美智子
「ねえ、何かトラブルあったの?」
「懐石料理店の支配人から家の電話に連絡があったけれど」
「何でも、相当申し訳ないことをしたと、平謝りだったけれど」
由紀は、懐石料理店で発生したトラブルそのものを話す。
「予約確認は認められたけれど、私たちが子供だから、帰れって帰された」
「関東育ちの子供には、京都の味はわからないって」
「何でも、懐石料理店にも、客を選ぶ権利があるって」
「おまけに塩をまかれて、史は背中にぶつけられた」
美智子の声が低くなった。
「それは、ひどいねえ・・・で、今は?」
由紀
「フィレンツェのルクレツィアさんと、たまたま出会って、ルクレツィアさんも憤慨してくれて、その懐石料理店での食事をキャンセル、今からルクレツィアさんと一緒に、おすすめのお店に行くの」
「ルクレツィアさんも、その支配人にひどいことを言われたみたい」
美智子は、また声が低くなった。
「そうなると、日本の恥だよね」
「おもてなしも何も、あったものじゃない」
史が、電話を代わりたいようなので、由紀は史にスマホを渡した。
史
「母さん、大旦那の名前もわかったみたい」
「変な工作されると嫌なの、その支配人の言葉は全て録音してあるし、ルクレツィアさんへの暴言も録音済みみたい」
「その旨は、僕から大旦那に連絡しておく」
美智子は
「ああ、そうだね、史からすぐに大旦那に連絡しなさい」
「そして由紀に言ってちょうだい、マスターと清さんにも、同じことを言うように」
史は、小声で由紀に母の言葉を伝え、スマホを由紀に返した。
由紀
「わかった、母さん、私は絶対に許さない」
美智子は、少し笑った。
「おそらく、厳しい処分になると思うよ、そこの店と支配人」
「それから、ルクレツィアさんに代わってくれる?」
美智子は、ルクレツィアとも話をしたい様子である。
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