第461話神田明神へ目指して歩く
太田姫神社へを出た一行は、神田明神を目指して、坂道をのぼりはじめた。
愛華と加奈子は、とにかくキョロキョロ。
愛華
「左手の高いビルが明治大学で、ここが日大で、こっちが中央?」
加奈子
「確かに大学が多いなあ」
史も、うんうんとうなずきながら
「そうだね、広いキャンパスって感じはないね」
由紀は
「街の中に大学の校舎があるって感じ、便利だと思うけどね」
など様々言いながら、坂道をのぼり切り、目の前にはお茶の水駅。
史は、また先頭に立って歩き出した。
「神田明神に行くので、神田川の橋を渡るんだけど、ここが聖橋っていうの」
愛華は一緒に歩きながら史に質問。
「なあ、史君、橋の向こうにある大きな屋根は何?」
史はすぐに答えた。
「あれは湯島聖堂、江戸時代の昌平黌、東京大学の前身とも言われている、中には孔子の像もあるよ」
加奈子がすぐに反応。
「じゃあ、せっかくやから行こう」
由紀も
「まあ、すぐだからいいか」
で、四人は一緒に湯島聖堂を散策。
史
「とにかく古いって感じ」
愛華
「いかにも中華って感じもある」
加奈子
「江戸時代は、さぞかし秀才が集まったんやろな」
由紀
「今は人もほとんどいなくて、お散歩場所かなあ」
史
「それでも、論語講座とか漢詩講座とか、やっているんだ、へえ・・・」
愛華
「史君、興味あるの?」
加奈子
「史君の中国服も可愛いかも」
由紀
「そうだね、史の着せ替え人形も面白い」
そんなことを言いながら、一行は湯島聖堂散策を終えた。
そして、少し歩くと神田明神の大鳥居が見えてきた。
そこで史が一言。
「ここに甘味屋さんがあるの、ここの甘酒とか美味しい、東京土産もあるよ」
愛華と加奈子は、にっこり
「ほーーー甘酒大好きや、磯辺もあるかなあ」
加奈子
「そうやね、これは参拝後のお楽しみやね」
由紀は
「私は、磯辺焼きが食べたくなってきた」
すると史が一言ぽつり
「姉貴は食べることばかり、最近・・・」
由紀はすぐに反応。
「史・・・最近って何?」
その目が少しキツい。
加奈子は、笑いだした。
「うん、そういえばそう感じる、って、うちもおんなじや」
愛華は、さっと史の横に並んだ。
「しっかり食べられる、それが健康っていうの、なあ、史君、そう言いたかったんやろ?」
愛華の上手なフォローで、史はようやく由紀の責めから逃れることができたようだ。
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