第442話銀座、日本橋散歩(8)

岡村顧問は、やはり超有名な音楽プロ、銀座の楽器店にもかなり知られているようだ。

担当者に簡単に話をつけて戻ってきた。

そして、史と由紀に

「だいたい三曲から四曲くらい、特に使用予定が無いので簡単に貸してくれた」


その話を受けた史は由紀と曲について相談。

「加奈子ちゃんも愛華ちゃんも加わるんだから、知っている曲だよね」

由紀

「そうなると・・・アヴェ・マリアは大丈夫だよね、あとは・・・」

「モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスも無難」

由紀

「うん、史、さすが・・・」

とまで言うけれど、次の曲が決まらない。


史は、少し考えた。

「少しポップなのもいいな、銀座だしね」

由紀も考えた。

「そうだよね、あまり宗教曲ばかりだとねえ・・・」

「ポップス、ジャズ、ボサノヴァ、ロック・・・うーん・・・」

と、いろいろ考えていた由紀の目がパッと輝いた。

そして史に

「あのさ、タキシード・ジャンクションって出来る?」

史は最初ビックリ、すぐに笑う。

「ああ、出来る、なんとなくわかる」


そこまで、なんとか三曲決まったので、由紀は岡村顧問と後輩女子部員と早速相談、史は愛華と加奈子に伝え、簡単にOKとなった。


さて、曲が決まれば動きは早い。

岡村顧問は、さっそくステージ方面に歩き出す。

また合唱部員たちも、ゾロゾロと岡村顧問の後について歩く。


由紀は、史に声をかけた。

「ねえ、今さらしょうがないね」

史は、

「そうだねえ、でもお昼だけは別にしよう、狭い店だしさ」

由紀

「うん、それはキッチリ話をする」

「マスターに自慢したいしさ」

由紀

「そうだよね、それはそうだ」

姉と弟は、演奏よりも、食事のほうが気になっているようだ。


全員がステージにのぼると、来店客の中には気がついた人もいるようだ。

少しずつ、人が集まってきた。






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