第273話子供好きな史
史は、ほぼ毎日、マスターと涼子のアパートに寄る。
目的は、生まれたばかりの祥子の顔を見ること。
とにかく、見たくて仕方がないようだ。
おもちゃをもって、あやしたり、時々ミルクをあげたりする。
涼子も、そんな史と祥子の様子が面白くて仕方がない。
涼子
「史君、将来に向けて、いい練習?」
史は
「え?まだ、そんな・・・」
それも当たり前。
それまでには、いくつもの段階があるのだから。
祥子を抱くのにもなれてきた。
祥子も史を見ると、ニコニコと泣いていても泣き止む。
涼子
「うん、史君、なかなか便利だ」
「あやし係として、役に立つ」
「祥子も史君がお気に入りみたいだ」
マスターもうれしそうな顔をする。
「そう言えばさ」
「由紀ちゃんも史君も、可愛かった」
「俺も同じようだったなあ」
涼子はクスクス笑う。
「そうかあ、マスターがねえ・・・」
「ほんと、面白いなあ」
と言うものだから
史
「面白いって?」
と不思議そうな顔をする。
すると涼子
「あのね、ホテルの時のマスターってさ」
コソコソと史に話をしてくる。
マスターは
「あ、そろそろ店で仕込み」
と、出ていってしまう。
それを見届けた涼子
「もうね、仕事に厳しいの何のってね」
「お客の前では神様仏様」
「同僚には、鬼軍曹・・・」
「何度叱られたことか」
史
「はぁ・・・・」
首をかしげている・・・というか、祥子を抱っこしながら途中から聞いていない。
そして
「祥子ちゃん、寝ちゃった」
そっとベビーベッドに寝かせている。
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