第86話里奈の不安(2)

史の水泳部取材の日になった。

里奈は朝から不安で仕方がない。

「あーーーヤダヤダヤダ・・・」

「と言っても、史君新聞部だし、取材をするのが仕事だしさ」

「あのグラマー良香さんが、グイッと史君に迫ると・・・史君がコロリ?」

「やだーーーー!」

と考えてばかり、仕方がないことだけど、気になることは気になるのである。


授業中でも、史の姿をチラチラしては、ため息をつく。

「いつものハンナリ顔だしさ、それも可愛いしさ」

「でも、水着姿の水泳部取材で」

「良香さんのエジキに?」

結局、頭の中は堂々巡り。

しかし、里奈は柔道部だし、史の取材に付き合えることもない。

結局、悶々として、下校時間までを過ごすしかなかった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る