ルームシェア
@hayate1008
第1話
なんで、こんなことになってしまったんだろう。
頼子の横で、泣き疲れて眠る少女。
その柔らかな頬を、そっと指で撫でる。
私の物には、決してならない。
この子は、静香の宝物。
「ねぇ、静香、一緒に暮らさない?」
ランチのピークを過ぎたファミレスは静かなもので、頼子たちの他に数人の客しかいなかった。
静香のコーヒーを持つ手が、一瞬止まる。
「え?」
「だからさ、アパートでも借りて、ルームシェアするのよ。家賃も馬鹿にならないじゃない?」
「それはそうだけど…」
「今の家だって、3ヶ月後には引き渡すんでしょ?この辺は1LDKでもそこそこの家賃がかかるし。」
「でも」
「ね、そうしよう。もしだめになったら、また考え直せばいいんだし。とりあえずさ、今はお互いに寂しさを埋める話し相手が必要だと思うの」
静香は断ってくるだろう。
そう思ってたから、こんなことを言えたのかもしれない。
彼女は私よりずっと現実的だから、私の突拍子もないアイデアに乗ってくるわけがない。
だから、「考えさせて」の一言もなく、即答されたことに戸惑ってしまった。
「そうね、いいかもしれない。頼子がそれでもいいなら…」
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