小説を読ませる必須条件を教えてあげるを
はやを
頭が悪くなきゃダメだった件
タイトルはクソみたいに長く変なのにするんだよ。
なんでかって言えばタイトルこそ小説で一番目に付く部分であり、そして無名作家には唯一の読まれるチャンスだからなんだ。いやマジで、ホントに。だって冷静に考えてみなよ。この世のネット住民が、わざわざゴミみたいな規模で君臨してるネット小説の一つ一つを丁寧にチェックしてるわけないでしょ? 当然、起こるのはタイトルの流し読みだ。そこで争われるのは、「タイトルの雰囲気」とでも表現すべきとっても曖昧模糊としたモノだけ。その「なんとなく良い」っていう評価基準に引っかかる重要要素が「分かりやすさ」であり、それを示すためにタイトルは長くならなきゃいけなくなってるんだよ。
タイトルのあらすじ化。僕が言い出したことじゃないけれど、そういう現象がネット小説界には顕著に現れているんだ。要するにタイトルを見れば中身が何となく分かるように長い名前を付けることだね。例えば「今までモブキャラだった主人公がいきなり学園のアイドルから告白され、それを切欠に色んな美少女たちとハーレムする」お話なら『モブだけど学園ハーレムモノになりそうでヤバス』みたいな? これはまぁ、僕のセンス不足故にあんまり面白くなさそうだけど、これと『学園多重恋模様』っていうタイトル、どっちが人目を惹きそうかな? 取り敢えず前者はあまりのふざけっぷりにナンダコレ感は沸くだろうけど、後者はコメントに困るね。ハーレムモノっぽいけどそれ以外の情報が読み取れない。とまぁこんな風に「くだらん」とか「馬鹿じゃねぇのwww」でも何でもコメントが付け易くする必要があるんだ。これがいわゆる取っ掛かり易さ、読書難易度の低さに繋がるんだよ。
纏めてしまえば、これは個性の出し方の話だ。無駄に格式ばってガッチガチな余所行きの名前より、長くても滅茶苦茶ラフで適当に書いた名前の方が、自然で親近感が沸くのはある意味では当然のことだよね。因みにこの法則「小説は読まれないのに何故かエッセイは読まれる現象」にも当てはまるんだ。考えた文より鼻穿りながら適当に書いた文のほうがウケるってやつ。それは小説よりエッセイに適正がある、ってことじゃなくて、単にエッセイは自由奔放に書き殴る傾向に陥りやすいからオリジナリティが出易いということなんだよ。それくらい自然さってのは大事なんだ。
無論、タイトルが普通(っぽく見える)でも人気なものはあるよ。ネット小説に限らずライトノベルやいわゆる『普通の本』にもね。でも、書店に置いてある紙の本は根本的にクオリティが違うんだ。そもそもあれは新人賞を受賞した人や何冊も本を出してるベテランなどの実力がキチンと担保された作家様方と、原稿を細やかにチェックして商業的に成功できるようサポートする編集様という存在がタッグで仕上げた、努力の結晶なんだよ。ネット小説はお金を取らないけど、その代わりに作品を完結させる保障もクオリティの担保もされていないよね? 具体的な言葉にできなくても、こういうアマとプロの壁ってのは、確実に読者の意識の底に紛れているんだ。クソみたいな文章の塊が一杯混ざってるのが明らかなのに、一々中身を開いてみて読む価値があるかどうかを判断するなんて、心底ふざけた話だと思うよ。ネット小説で売れてる人のことはよく分からないけど、あそこは実力一本で上り詰められる領域じゃないから気にしちゃダメだよ。底辺が頂点を見たって虚しいだけだよ。
大半の無名作家は読まれない原因が知名度の問題なことに気づいてないんだ。そう、酷い話だけど読まれるのは「皆が知ってるから」で、読まれないのは「皆が知らないから」なんだよね。見も蓋もない話だけど、割りと本当のことだよ。ガンダムとジョージ・オーウェルの『動物農場』、どっちの方が知られていると思う? 断然大昔からTVやらなんやらで騒がれるガンダムの筈だよ。正直な所『動物農場』なんて一般人の中じゃ、2015年に新版発刊された『虐殺器官』のとある一行に魅せられた人くらいしか知らないと思うよ。ここまでの流れについて来れるかすら微妙だね。まぁ要するに誰かが知ってるものしか読まれない、ということだよ。文章の巧妙さやストーリーの良し悪しなんてハナっからお呼びじゃないのさ。そうでなきゃ小・中・高・大と文章が面白いって褒められ続けた僕が評価されない理由が分からないからね、うん(自意識過剰)。
とにかく、タイトルは頭空っぽ状態でつけること。副垢や相互クラスタが嫌いなら道はほとんどないよ?
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