粉々の君を

君を強く抱きしめたら

粉々になってしまったので

僕は驚いて

君を元に戻そうと足掻く


こんなつもりじゃなかったんだ

こんなはずじゃなかったんだ


君を思いきり抱きしめたら

ばらばらになってしまったので

僕は悲鳴をあげて

君を治そうともがく


これは何かの間違いなんだ

これは悪い夢を見ているんだ


粉々の君を

ばらばらの君を

かき集めて僕はがむしゃらに走る


粉々の君の心を

ばらばらの君の骨を

腕の中に抱き僕は無我夢中で走る


僕は君を強く強く抱きしめる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る