レアオン詩編集

やましん(テンパー)

第1話  戦士の嘆き

レフ・クニッペル作曲 

     『交響曲第四番「コムソモール戦士の詩」さんよりのお手紙』


『みなさん、こんにちは!

いきなり、最初に私が出てくるのでびっくりです。

でも、この編纂のやましんさんは、特定の思想的な背景を持つこととかを、若いころからひどく嫌ってきた方なので、意外でした。

 でも、たとえ露払いであれ、やっかいものは速く済ませようという意図であれ、一番に選んでもらったのでがんばります!


 私は、現在全く顧みられない曲のひとつです。

 私の祖国でさえ、私を歌ってくださる方は、激減していると聞いております。

 それは、歌詞の内容が原因だと思います。


 でも、私には輝く栄光の時代もあったのです。

 それは、日本においてさえ、そうでした。

 歌詞こそ書き換えられておりましたものの、1970年代の初め、私の主題歌を知らない日本の方は、あまりいなかったのではないでしょうか。

「ポーリュシカ・ポーレ」

 と、私は呼ばれ、とっても有名でした。

 ご存知でしょう?

 あちらこちらの集会所や、いろんなところで、聞かれたり歌われたりもしたはずです。思い出のある方、いらっしゃるでしょう?

 なつかしいでしょう?

 

 でも、元の歌詞の内容は結構シビアで現実的で思想的です。

 だから、今は好まれないのでしょうね。


 でも、私のメロディーは、天下一品でしょう?

 どこまで行っても、けっして終わらない旋律です。永遠に続きます。


 なのに、このまま歴史の闇に消えてしまうのは、ちょっと惜しいな、と

 自分でも思います。


 あのモーツアルト先生には、人に聞かせるのには、あまりに恥ずかしい歌詞のカノンが、いくつもあります。(俺の尻をなめろ!・・とか歌ったりですね。ああ、恥ずかしい・・・(「わたしゃマルスとイオニア人になるのは難しい」K.559)

 あまりに恥ずかしいので、また教育上も、よろしくないのだけれど、旋律は素晴らしいということで、昔から歌詞を変えて歌われてきていたものもあります。

 だから、たとえ私の歌詞が変わっても、メロディーだけは忘れないでいてほしいのです。

 そうそう、これは内緒の話ですが、クニッペル先生の音楽自体は、かなり大衆扇動的な部分と、とっても思索的な部分とが繰り返し出てきます。

 どっちが本物のクニッペル先生かは、自分でもわかりません。


 最終楽章の主題なんか、もうフランツ・レハール先生の傑作「メリーウィドウ」と、ルドルフ・フリムル先生の「放浪者の王」を足したような、かなり乗ってる音楽です。

 あ、フリムルさんのこのオペレッタ(ミュージカルのはしり)には、やはり日本の方が、どなたでも知っている曲がありますよ。映画「蒲田行進曲」の主題歌です。ここが実は元なんですよ。こちらも、聞いてあげてください。それといっしょに、私の事もどうか、忘れないでください!!


 とはいえ、実は今、私のCDを探すのは、かなり難しい時期なのです。

このお手紙の編纂をした「やましん」さんは、アメリカから手に入れたようです。(けっこうお高かったとか)

 でも、どうかこの先どこかで私を見たら、この手紙を思い出してくださいね。

 昔、日本の皆様と一緒に、手を取り合って歌ったり踊ったりしたころが、本当になつかしいです。

 では、みなさまお元気で、いつかまたお目にかかりましょう。

                          さようなら



 参考; 1  R,グリエール作曲「赤いけしの花」☜(これは「レアオン」                     と言うよりも「名曲」!)

     

       L,クニッペル作曲「交響曲第4番」  

           指揮:ヴェロニカ・ドゥダロワ ☜(近年                  亡くなりましたが、ロシアの名女性指揮者)

  

           管弦楽:モスクワ交響楽団  その他

              (英OLYMPIA  OCD202) 

  

     2 ルドルフ フリムル作曲 喜歌劇「放浪者の王」      

           指揮:  S.Byess

           管弦楽: オハイオ・ライト・オペラ

            フランソワ・ヴィヨン:テッド・クリストファー

              (Albany TROY738-39)

           

         

                


      



















 












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