incompatible


夜型の僕たちの時間が始まるのは午前二時。

僕が帰宅して、君の寝顔が寝起きになって。


「遅くなった、ごめん。」


君は笑っていたけれど、いたけれど。


二月初旬の深夜はまだ寒い。

悴む手で鍵を開けて、誰も居ない家に帰る。


僕はどうやら夜型の「僕たち」だと、過信していたみたい。


「普通の人がいいの。」なんて言ってた頃には、もう特別な人がいたのかもしれないね。


僕と別れて君は、

朝七時に家を出て、一九時に帰宅、〇時には眠る。

そんな人と結婚したらしい。


早起きの君が、アラームにしていたのと同じ曲を目覚ましにして。

君が眠る時間を、僕は今も当たり前に生きている。

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