【百鬼夜行 現代伝奇】

妖怪名鑑1 (第一話~八十六話まで)

【参考】

推定脅威度の目安

〜0:幼稚園児、障害者

〜25:一般人

50:拳銃を装備した警官、そこそこ有能な一般人

100:社会的成功者、特殊部隊員

150:郷里の英雄、特定の分野のトップ

200:小妖怪、神秘的な力を現実に備えた武術の真髄に足を踏み入れた段階

350:神秘的な武術を修めた武術家、本物の魔術師、年若い妖怪。緒方、畑中もここ。

600:歳経た妖怪、相当な達人、大国の国家元首、歴史を変えた偉人等。アインシュタインやカール大帝はここ。

1000:千歳を経たような大妖怪、神秘的な力を備えた極めて強力な武術の開祖、新たな魔法流派を作り上げた天才魔術師、アメリカ合衆国大統領、三大宗教の祖など。山中竜太郎、網野圭子、清岡玄弥、“地獄の道化師人形”の師匠はここ。

1800:このあたりから神と呼ばれる。

2500:広く信仰された多神教の主神クラス。

3000:主神クラスでも策略を用いなければ倒すことが出来ない怪物。ヤマタノオロチが代表的。

5000:大国そのもの。妖怪ならば何十億人の信仰を集めた“造物主”かあるいはもはや特定の神ではなく、人類全体の共通認識下にあるなんらかの大規模な自然現象が仮託されたものの具現化であろう。

10000:人類文明そのもの。

100000000:作中には存在しないが、例として挙げるならば成熟した恒星間文明の天体破壊級兵器等。機械生命体マシンヘッド(銀河縦断ふたりぼっち)、人類製第五世代型神格(神々の樹海)など。






【山犬】

■人間の姿:三十代半ばの屈強な男性

■妖怪の姿:ゾウにも匹敵する巨大な山犬。総質量十トン

■特殊能力:巨大化。怪力。牙や爪で敵を食い殺す。凄まじい嗅覚。獣や鳥を呼び寄せる。それらを操る。時速170kmで走る。大口径砲の徹甲弾をはじき返す頑強な骨格。結界を張り、人間を閉じ込めたり逆に排除したりできる。隠れ里を作り、人間から隠れる。千年間生きたことによる膨大な知識。

■経歴:兵庫の地に平安時代から生きてきた人喰いの山犬一族の古老。過去、山犬一族は人間との戦いの結果、人を殺さない代わりに死者が出ればその肉を喰らうという盟約を人類との間に結んだ。近代に入り火葬が一般化したことや、盟約を結んだ村々が過疎化で減少したことによる食糧難から盟約を破って一族から追放され、単独で人間を狩るようになった。

■弱点:定期的に人肉を食わねばならない。人肉以外食べられない。骨格に守られていない角度からの攻撃には脆い。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:1000



【小宮山雛子(幽霊)】

■人間の姿:ブレザーを着た女子高生(ただし常人の目には見えない)

■本来の姿:同上

■特殊能力:透明。幽体になる。物質透過。常人の数倍の怪力。飲食不要。睡眠不要。異常な幸運。鉈で幽体をも切り裂く。非実体のものに触れられる。水面を歩ける。

???

???

■職業:妖怪ハンター助手兼家事手伝い

■経歴:凶悪な殺人事件の犠牲者に対する哀れみから生まれた。対の存在である村岡健三郎を倒したことでその力を取り込み、より強力な幽霊となる。

■弱点:お経が聞こえる間身動きできない。神社や寺院などの神聖な場所に入れない。

■人間に対する態度:善良

■推定脅威度:1000?



【村岡健三郎(幽霊)】

■人間の姿:茶髪でウィンドブレーカーを羽織り、鉈を携えた青年(ただし常人の目には見えない)

■本来の姿:同上

■特殊能力:透明。幽体になる。物質透過。常人の数倍の怪力。飲食不要。睡眠不要。鉈で幽体をも切り裂く。非実体のものに触れられる。

あらゆるものに対して無敵(死者及び死神に類するものを除く)

■経歴:凶悪な殺人事件に対する恐怖から、小宮山雛子と対の存在として生まれた。

■弱点:お経が聞こえる間身動きできない。神社や寺院などの神聖な場所に入れない。

■人間に対する態度:邪悪

■推定脅威度:840



【白いワニ】

■人間の姿:なし

■本来の姿:白く巨大なワニ。立ち上がると六メートル。

■特殊能力:巨大化。怪力。肺が強い。転倒しない。水中で行動できる。地下の人工空間にある水から水へと空間を超えて移動したり臭いを探知できる。嗅覚が鋭い。鎧のように頑丈な鱗。

■経歴:目の届かない下水道への恐怖から生まれた。元となった都市伝説はアメリカ発祥。

■弱点:頭が弱い(知能面で)。日光。一度人間に姿を見せてからでなければ襲えない。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:550



【人食いピラニア】

■人間の姿:なし

■本来の姿:凶悪に戯画化されたピラニアの群れ。

■特殊能力:水中で呼吸できる。水中で行動できる。地下の人工空間にある水から水へと空間を超えて移動したり臭いを探知できる。嗅覚が鋭い。鋭い牙と獰猛な食欲で何でもたちまち食い尽くす。

■経歴:目の届かない下水道への恐怖から生まれた。

■弱点:頭が弱い。日光。水から出ると行動できない。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:350




【下水道のサメ】

■人間の姿:なし

■本来の姿:現実にはあり得ないような巨大なサメ。

■特殊能力:巨大化。水中で呼吸できる。水中で行動できる。水から水へと空間を超えて移動したり臭いを探知できる。嗅覚が鋭い。なんでもかみ砕き、丸呑みできる。水量が足りなくても水面下に隠れられる。

■経歴:サメへの偏見から生まれた。最後はテルミットナパームを体内で炸裂させられて爆死。

■弱点:背びれを見せつけねばならない。サメ界では小物。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:600




5爺ふぁいぶじい

■人間の姿:死相を浮かべた老人

■本来の姿:腐りかけ、ぎくしゃくしながらも動く老人の死体

■特殊能力:5G通信に接続する。電子回路を操る。電気系統を支配する。電磁効果。コロナワクチンを打ったことのある人間に副反応を引き起こす。人間の意識を逸らして隠れる。瞬時に相手の反対側に回り込める。

電撃を投射して幽体すらも傷つける。

■経歴:コロナ禍で流れた多くのデマを信じた人々の想いによって死体が動き出した。本能の赴くままに陰謀論者を襲う。

■弱点:物理攻撃には脆弱。アナログの鍵がかかった扉や窓は通れない。脳が腐っており、正常な思考能力がない。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:900



【明石の大ダコ】

■人間の姿:山伏

■本来の姿:足の一本が8~12kmある巨大なタコ。

■特殊能力:足を切り落とされても動ける。とてつもない巨体と怪力。海の中で自由に行動できる。水中で息ができる。タコツボに隠れる。

■経歴:ずっと昔、明石の海を住処としていた巨大妖怪。二人の后を海に引き込もうとしたことから退治された。

■弱点:タコツボがあると隠れてしまう。陸上では大きく動きが制限される。タコツボの中では力が出ない。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:5000



【明石のタコツボ】

■人間の姿:なし

■本来の姿:大きな素焼きのタコツボ

■特殊能力:大きなものがいくらでも入る。大きなものならばたとえ無生物であっても中に入りたくなるほどの魅力。

■経歴:明石の大ダコを退治するために作られたタコツボ。ある旧家の家宝として何百年も大切に保管されていた。古い時代のタコツボのため、普通の壺に近い形をしている。

■弱点:大きいものしか魅了できない。自力で移動できないものを引き寄せることはできない。自分の意思を持たず、動けない。

■人間に対する態度:中立

■推定脅威度:600



【怪盗ファントマ(妖怪盗)】

■人間の姿:男とも女とも見える中性的な麗人。

■本来の姿:シルクハットに夜会服と仮面、マントの怪人

■特殊能力:気球などで空を飛ぶ。煙幕を出す。プロジェクターで幻覚を出す。何にでも化けられる。人形を身代わりに難を逃れる。物体に生命を与える。拳銃で気絶させる。どこにでも抜け穴を作ることができる。ステッキ術。あらゆる書類を偽造できる。どんな人間にも成り済ますことができる演技力。気付かれないまま巨大なグラフィティアートを描ける。驚異的な跳躍力と平衡感覚。あらゆる言語をマスターしている。審美眼。カリスマや話術で人間を魅了する。なんでも探し出すことができる。

■職業:怪盗兼マジシャン

■経歴:閉塞した世相を打破するエンターテイナーとして、児童文学や古典的怪盗ものなどのイメージが混ざり合って誕生。生まれた直後は人間の抱くイメージに機械的に従っていたが、他者との交流を経て明確な自意識が芽生えた。

■弱点:人間の注目を浴び続けなければ生きていけない。自分から事件を起こすには予告状を出さねばならない。怪盗としての名誉に縛られる。どんな超常現象を起こしてもトリックだと言い張る。

■人間に対する態度:中立→友好的

■推定脅威度:600



【サラリーマン(文明の化身)】

■人間の姿:ふくよかな体形のサラリーマン。垂れ目で唇が分厚い。スーツも帽子も黒。それ以外にも様々な姿を持つ。

■本来の姿:人類文明そのもの

■特殊能力:人類文明が存続する限り不滅。死んでも即座に復活する。人類がその歩みを止めない限り、決して心が折れることはない。決して封印されない。どこにでも現れる。救いを求める人々の叫びを決して聞き逃さない。

人類の明日の為に戦う者にほんの少しだけ力を貸す。

????

■経歴:おおよそ七万年前に誕生した最古の妖怪の一体。「今日と同じ、しかしほんの少しだけ良くなった明日」に対する期待の擬人化。人類あるところ常に存在し、見守ってきた。

本人は否定しているが、人類文明とはそれ自体が妖怪である。誰にも見ることができず、触ることもできないが、しかし存在する。

彼が滅びるとき人類もまた滅びる。

■弱点:文明は一つのところに歩みを止めることができない。決して。

■人類に対する態度:善良

■推定脅威度:10000?

■備考:東慎一が呼び出した"輝ける巨人"はこの妖怪からかすめ取った"人類は明日も続いていく"というパワーを具象化したものである。




【山麓バイパスの高速女】

■人間の姿:白いワンピースを着た黒髪の女

■本来の姿:同上。ただし四つん這いになり自動車以上の速度で走る。

■特殊能力:音速で走る。どんな速度で転倒しても軽傷で済む。音速突破により発した衝撃波で攻撃する。壁を走る。四肢が沈むより先に踏み出すことで水面上も走れる。空中でも。

■経歴:都市伝説から生まれた。兵庫県神戸市の山麓バイパスを主な縄張りとする。

■弱点:速度を出すと急に止まれない。早いことしか能がない。

■人間に対する態度:友好的

■推定脅威度:600?



【首なしライダー】

■人間の姿:フルフェイスヘルメットを被ったライダー。

■本来の姿:1400CCのバイクに跨った首のないライダー。

■特殊能力:透明なものやオーラが見える。1400CCのバイクを召喚し、自在に操る(離れていても)。怪力。斧で何でも破壊する。強力な排気ガスを煙幕兼毒ガスとして放出する。任意の物体同士を自由に接着できる。壁や天井、水上もバイクで走行できる。人払いの結界を張る。

■経歴:1970年代に都市伝説から生まれた。北米から日本に渡り、各地を荒らしまわっていたが北海道で現地の人間に友好的な妖怪コミュニティと交戦。神戸まで逃れてくる。

■弱点:バイクにまたがっていないと能力が制限される。

■人間に対する態度:獲物

■推定脅威度:900?



【網野真理(電子妖怪)】

■人間の姿:胸の大きい眼鏡の女子高生

■本来の姿:無数の電子コードが浮かび上がり、ノイズの走った人型の影

■特殊能力:自由に無線や電子ネットワークに侵入したり、ものや人間を引きずり込んだりできる。電子情報を改ざんする。電子機器を操る。電子の流れに乗って遠くまで移動できる。電子データを物質化し操る。物体や物理エネルギーを電子情報に変換できる。ゲームの武器を実体化させて利用できる。

■職業:北城大付属高校一年生

■経歴:電子データが意識を持つことで誕生。以後、人間社会でひっそりと暮らしてきた。

■弱点:強い磁力や電磁波など、電子情報を破壊するものに弱い。長時間電子機器から離れると弱ってしまう。

■人間に対する態度:善良

■所属コミュニティ:旧居留地東洋海事ビルジング

■推定脅威度:600



【七瀬初音(絵の怪異)】

■人間の姿:なし

■本来の姿:セーラー服姿の少女が描かれた油絵

■特殊能力:半径数百メートル以内の絵を自在に操る。絵を実体化できる。絵筆で描いたものを操ることができる。絵を介してものを見聞きすることが可能。人払いの結界。

■経歴:???

■弱点:絵なので火に弱い。誰かに運んでもらわねば移動できない。

■人間に対する態度:???

■推定脅威度:600



【花園千代子(中国の吸血鬼)】

■人間の姿:パンツ・スーツ姿の30代の美女

■本来の姿:血の気のない女の幽鬼

■特殊能力:怪力。鉤爪を伸ばし霊体をも切り裂く。風水の術で建築物を守ることができる。死者のおぼろげな想いをとして使役し労働に従事させる使鬼の術。見えないものが見える。人間を魅了して操る。他者の記憶を操作する。占術。驚異的な格闘技術。千年生きたことによる様々な知識と経験。

???

■職業:ビルのオーナー。

■経歴:宋の時代から千年間生き続けている吸血鬼。かつては若い男の血を吸い尽くして殺す残虐な性格だったが、月日が経つにつれて穏やかになった。人間や妖怪など様々な相手との結婚生活を経験している。20世紀前半、香港で出会った日本人が現時点では最後の夫で、彼の所有していたビルを受け継ぎ、現代まで日本の神戸を根拠地としている。花園姓はその時の夫のもの。

■弱点:桃や日光に弱い。若い男の血を定期的に吸わねばならない。

■人間に対する態度:友好的

■所属コミュニティ:旧居留地東洋海事ビルジング(まとめ役)

■推定脅威度:1000



【旧居留地東洋海事ビルジング(隠れ里)】

■人間の姿:なし

■本来の姿:近代西洋風建築のビルディング

■特殊能力:用のない人間には存在が気付かれない。自然災害でも壊れないほど頑丈。老朽化しない。壊れた部分が直る。外部からの供給なしに電気ガス水道他が使える。郵便物のやり取りができる。妖怪でも壁や床、扉などを透過できない。様々な防御の術がかけられている。

■経歴:もともとは大正期に建てられた普通のビルディング。花園千代子の術によって半ば異界と化しており、住居兼近隣の妖怪のコミュニティの場となっている。

■弱点:建物であるため移動できない。

■人間に対する態度:中立

■所属コミュニティ:旧居留地東洋海事ビルジング(たまり場の建物そのもの)

■推定脅威度:1000


【柴右衛門狸(化け狸)】

■人間の姿:さまざま

■本来の姿:1メートルほどの野獣。

■特殊能力:様々なものに化けられる。化けたものの能力を模倣できる。犬以外の動物や鳥類と会話できる。犬以外の動物を自在に操る。跳躍力。嗅覚を始めとする鋭敏な五感。

■職業:無職

■経歴:江戸時代にはすでに名が知れ渡っていた日本三大狸の一角。淡路を根拠地とし、大阪に出かけた際に犬に噛まれて死亡したが江戸時代後期に復活。現在も淡路を中心とした地域で活動している。

■弱点:犬

■人間に対する態度:友好的

■所属コミュニティ:複数

■推定脅威度:1000



【東慎一(変身超人)】

■人間の姿:無精ひげを生やした30代の男性

■本来の姿:コンバットスーツを身にまとった超人

■特殊能力:何十メートルも跳躍できる。時速200kmで走る。銃弾に耐える頑強な装甲。地中形態に変身して地面の下を掘り進む。野獣形態で野獣の感覚や身体能力を得る。倍力形態で戦車も持ち上げられるパワーを発揮。その他さまざまな形態を持つ。光線銃を撃つ。レーザーブレードで何でも切断できる。センサーで何物も見逃さない。空白の補助カードに吸い込んだ品物を自分の力として扱える。コンバットスーツの力で傷がすぐに治る。変身や形態変換時に発生するバリアーで身を守る。

???

■職業:元工員。妖怪ハンター

■経歴:元は普通の人間。妖怪への狂おしいまでの復讐の念が玩具の変身ベルトと結びついたことで超人的な能力を得た。

■弱点:変身ベルトがなければただの人間。

■推定脅威度:1000?

■備考:変身能力はあくまでも東慎一自身の力である。真に正しいことをするとき、変身ベルトは彼に力を貸してより強大な形態へ変化させる。

後に成長し、ベルトなしでも変身アイテムの玩具さえあれば変身できるようになった。その際の能力傾向は用いたアイテムの原作に準じる。



【変身ベルト(付喪神)】

■人間の姿:なし

■本来の姿:なし

■特殊能力:相応しい器物に憑依する。憑依した器物を装着した者を超人に変える。コンバットスーツをはじめとしたさまざまな装備を与える。自らの主人を決める。器に相応しい器物に、必要な時に巡り合う。

世界を守る戦いに臨む時、世界の存続に連なる想いからエネルギーを汲み出して相応しい形に主人を変身させる。

■職業:なし

■経歴:東慎一の長年にわたる狂おしいまでの想いが、偶然出会った玩具の変身ベルトを核として具現化することで誕生する。密接に結び付いた東慎一自身も半ば妖怪化している。器物と東慎一の双方が同時に滅ばない限り死ぬことはない。

破壊された後、別の玩具と結びついて復活。よりエネルギー体としての性質が強まる。

■弱点:器となる器物に憑依していなければ力を発揮できない。相応しい主人が必要。

真に正義のために用いられるのでない限り、本来の性能は発揮できない。

■推定脅威度:2000?(東慎一と合わせて3000)




【火伏次郎(天狗)】

■人間の姿:よれたスーツを着た中年男性

■本来の姿:カラスに似た頭部と翼を備え修験者の衣装をまとった人型の生物。いわゆる烏天狗。

■特殊能力:炎を自在に操る。流星を落として村落をも焼き払うことができる。空を自在に飛ぶ。見たものを病気にする怪火を作り出す。幻聴を聞かせる。風を起こす。火難より人々を守る。

???

■職業:小さな地方出版社勤務。

■経歴:本名「次郎坊天狗」。神としても崇められる最初期に生まれた大天狗の一人で、本来の姿も当時の面影を残している。滋賀県の琵琶湖西岸に連なる比良山地を根拠地とする天狗一族の長で、日本の天狗界、妖怪の世界においても大きな発言力を持つ大妖怪の一人。日本が鎖国を解き、開国して以来神戸に移り住んで国外から侵入してくる異国の妖怪に対して目を光らせてきた。彼に忠誠を誓う天狗は数多い。

■人間に対する態度:友好的

■弱点:定期的に自然の綺麗な空気を吸わなければ生きていけない。

■所属コミュニティ:旧居留地東洋海事ビルヂング。また比良山の天狗一族の隠れ里

■推定脅威度:1000




【ブギーマン】

■人間の姿:シーツを被った怪人

■本来の姿:見る子供によってさまざま

■特殊能力:夢の世界に人間を引きずり込む。誰の夢にでも侵入できる。好きな夢を見させることができる。

■職業:お母さんと子供の約束そのものの具現化

■経歴:お母さんが子供を寝かしつけるときに使う「寝ないとおばけが来るよ」といった言葉を信じた子供たちの恐怖心から生まれた。悪い子を死ぬほど恐ろしい目に遭わせて改心させることを目的とする。同じような妖怪は世界中にいる。

■人間に対する態度:善良

■弱点:特になし

■推定脅威度:600



【小鬼】

■人間の姿:なし

■本来の姿:ぬいぐるみほどの大きさの小鬼

■特殊能力:人間の邪心を強める。人の心を操る。透明なものを見る。人間の認識に働きかけて無視させる。

■職業:なし

■経歴:日本中に存在する天邪鬼の一族のひとり。戦前、神戸で騒乱を巻き起こしたため封印されていた。

■人間に対する態度:獲物

■弱点:物理的には大きさ相応でしかない。人間以外からは普通に見ることができる。

■推定脅威度:350



【イリス(フランスの妖精フェイ)】

■人間の姿:白人の女の子

■本来の姿:身長30センチほどで透明な羽をもつ妖精

■特殊能力:普通の人間には姿が見えない。妖精の粉を振りかけることで霊視の力を人間に与える。様々な魔法を使う。空を飛ぶ。鉄以外の物質を透過する。

■職業:雑貨屋併設カフェの店員

■経歴:四百年前にフランスで生まれる。三十年前、妖精ハンターに捕まって日本に送られる途中、二人の税関職員に助けられて帰国。以後、人間社会で過ごすために勉強中。

■人間に対する態度:善良

■弱点:鉄。人間の血。

■推定脅威度:750





【タケミナカタ(武神)】

■人間の姿:両腕のない屈強な男性

■本来の姿:両腕のない屈強な男性。途方もない神気をまとう。

■特殊能力:千人力。銃弾の嵐も見切って回避する動体視力と反射神経。自らに対して捧げものをした人間に対して加護を与える。農耕神・狩猟神・水神・風神・軍神など様々な神格を持ち、自らの司る事物を自在に使役する。弾丸に宿る"神"に命じることで飛び道具の攻撃を阻止する矢避けの神力。2000年の間に培われた格闘技術。対地ロケットの攻撃すら跳ね返す硬気功の術。軽やかに宙を舞う軽気功。その他、長い人生で様々な秘術を会得している。

■職業:旅の格闘家

■経歴:古事記にもその名が記された、神代最初の格闘将軍。タケミカズチとの戦いに敗れ、両腕を失ったという神話を再現した姿でこの世に顕現する。自らの最強を証明するために行動する。

■人間に対する態度:中立~友好的

■弱点:両腕がない。一部の神力は腕がなければ使えない。

■推定脅威度:1800(両腕があれば2500)



【オモル(地獄の道化師人形)】

■人間の姿:サングラスをかけたラッパー風の黒人男性。

■本来の姿:でたらめに四肢が十本近く生えた道化師の人形。

■特殊能力:視線が合った相手を自在に操る。記憶を操作する。人形を操る。壁に張り付く。ブラジリアン柔術の達人。人間を引き裂く剛力。頑強な体。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:人形師の人形に自我が芽生えて誕生。人形師が殺害された結果人間を襲うようになるが、妖怪ハンターの老人に出会い改心。老人が人間の犯罪者に殺害されてからは闇の世界に飛び込み、犯罪組織の幹部に上り詰めた。

■人間に対する態度:獲物

■弱点:木製の体の為火に弱い

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:1000



【オグン(ラバトゥチ)】

■人間の姿:混血メスティーソの屈強な男性。

■本来の姿:一つ目で牙がある悪鬼。手は大きく、足は象のように丸い。

■特殊能力:怪力。大気や雷を自在に操る。空を飛ぶ。見えないものが見える。幽体にも攻撃可能。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:ブラジル発祥の人食い鬼。家畜も食うが好物は人間であり、その邪悪さから殺し屋として悪霊の軍勢に参加した。

■人間に対する態度:獲物

■弱点:特になし

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:800




【オシュマレ(亡霊騎士)】

■人間の姿:なし。人間の目からはおぼろな影だけが見える。

■本来の姿:サーコートをまとい、鎖帷子にバケツヘルメットと剣、盾、弓で完全武装した騎士。

■特殊能力:常人からは影以外見えない。幽体になる。物質透過。常人の数倍の怪力。飲食不要。睡眠不要。剣で幽体をも切り裂く。弓矢で遠くの敵を貫く。非実体のものに触れられる。水面を歩ける。千年分の戦闘経験。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:第一次十字軍の頃に兵士たちの想いから誕生した"騎士の亡霊"。マステマと出会い、それ以降仕え続けてきた。大変に信仰篤い騎士。

■人間に対する態度:中立

■弱点:特になし

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:1000



【シャンゴ(電子妖怪)】

■人間の姿:貧相な白人男性

■本来の姿:ローブの下は無数のワームからなる怪人

■特殊能力:自由に無線や電子ネットワークに侵入したり、ものや人間を引きずり込んだりできる。電子情報を改ざんする。電子機器を操る。電子の流れに乗って遠くまで移動できる。電子データを物質化し操る。物体や物理エネルギーを電子情報に変換できる。ゲームの武器を実体化させて利用できる。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:犯罪に用いられたワームプログラムに自我が宿り誕生。悪霊の軍勢に犯罪者として参加する。

■弱点:強い磁力や電磁波など、電子情報を破壊するものに弱い。長時間電子機器から離れると弱ってしまう。

■人間に対する態度:獲物

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:750



【オショシ(脳みそ喰らいブレインイーター)】

■人間の姿:金髪の美少年

■本来の姿:眼球のついた脳みそから触手が生えた人間大のタコ

■特殊能力:人間の脳を喰ってその記憶や技能を奪う。人間の皮を被ってその人間に成り代わる。強力なバリアーで攻撃を反射する。バリアーからビームを放って攻撃する。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:他者を妬む感情から誕生。当初は与えられた存在意義のままに人間の脳を喰らい、喝采を浴びるべく行動していたが首領のカリスマに惹かれ悪霊の軍勢に参加。

■弱点:定期的に人間の脳を喰わなければ生きていけない。

■人間に対する態度:獲物

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:900



【エシュ/クィントゥス(狼男ライカンスロープ)】

■人間の姿:オールバックにスーツのインテリ

■本来の姿:2メートルはある屈強な狼男

■特殊能力:怪力。瞬間的に時速500キロ近い速度を出せる。爪は幽体をも切り裂く。噛んだ相手を人狼に変える。2000年生きた経験。鋭敏な五感。暗闇でもものが見える。犬以上の嗅覚。人払いの結界を張る。不死身に近い再生力。

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の幹部

■経歴:ローマ帝国時代に誕生した獣人。奴隷として売られていたところを天使マステマに拾われ、以後2000年に渡って仕えている。エシュは現在使っているコードネームで、本名はクィントゥス。

■弱点:特になし。

■人間に対する態度:中立

■所属コミュニティ:悪霊の軍勢

■推定脅威度:1000



【オロルン(天使マステマ)】

■人間の姿:美形の金髪男性

■本来の姿:何対もの翼を背から伸ばし、光輪を戴く完全武装の天使

■特殊能力:とてつもない剛力。言葉が現実となる言霊の霊力。自らを目にした者を塩の柱に変える。戦車砲以上の威力を持つ弓矢。空を飛ぶ。姿を消す。人払いの結界を張る。人間の心を操る。カリスマ性。甲冑の驚異的な防御力。硫黄と火の雨を降らせて周囲数キロの範囲を焼き滅ぼす。人払いの結界を張る。見えないものを見る。予言に近い超感覚。

????

■職業:犯罪組織"悪霊の軍勢"の長

■経歴:2200年前に人を試す天使として誕生。以後、穏健派の天使として長く人類を守護していたが、ある事件をきっかけに人間に絶望して離反。現代では自らが組織した犯罪組織の長。

■人間に対する態度:邪悪

■弱点:言霊の霊力は、自分以外のものが聖書の言葉を唱えた場合もある程度具現化させてしまう。

■推定脅威度:2500





【豚のぬいぐるみ(付喪神)】

■本来の姿:3メートルもある直立2足歩行した豚のぬいぐるみ

■特殊能力:胴体を10メートル以上伸ばすことができる。怪力。強力な蹄で攻撃する。抱き心地がよい。夢の世界に入ることができる。

■経歴:作者の母の抱き枕が登場。

■職業:作者の母の抱き枕。

■人間に対する態度:友好的

■弱点:水を吸うと動きが鈍る。抱き枕なので火に弱い。

■推定脅威度:350

■備考:塩の柱に変えたら母が怒ったので後でちゃんと治します(作者コメント)




【犬神千尋(山犬)】

■人間の姿:二十代の女性

■妖怪の姿:ゾウにも匹敵する巨大な山犬。総質量十トン

■特殊能力:巨大化。怪力。牙や爪で敵を食い殺す。凄まじい嗅覚。獣や鳥を呼び寄せる。それらを操る。時速170kmで走る。大口径砲の徹甲弾をはじき返す頑強な骨格。結界を張り、人間を閉じ込めたり逆に排除したりできる。隠れ里を作り、人間から隠れる。千年間生きたことによる膨大な知識。

患部を舐める事で傷を癒やす。

■職業:十月医院の看護師

■経歴:兵庫の地に平安時代から生きてきた人喰いの山犬一族。過去、山犬一族は人間との戦いの結果、人を殺さない代わりに死者が出ればその肉を喰らうという盟約を人類との間に結んだ。近代に入り火葬が一般化したことや、盟約を結んだ村々が過疎化で減少したことによる食糧難から都会に出て、医療廃棄物として切り取られた人肉を食べるようになった。

■弱点:定期的に人肉を食わねばならない。人肉以外食べられない。骨格に守られていない角度からの攻撃には脆い。

■人間に対する態度:善良

■所属コミュニティ:旧居留地東洋海事ビルヂング、十月医院

■推定脅威度:1000

■備考:第一話で竜太郎と対決した山犬は叔父に当たる。能力はほぼ同じだが叔父に対して体格で劣り、代わりに治癒の力を持つ。




【クリスティアン・イズ・アムドゥスキアス(ソロモンの魔神と人間のハーフ)】

■人間の姿:緩やかなウェーブの髪を伸ばしたスラヴ系の好青年

■本来の姿:人間の姿に加えて額から角を生やし、豪奢な指揮者の服を身にまとった魔神。手に指揮棒となる短杖ワンドを持つ

■特殊能力:音を集めて変調させて攻撃する。遠くのかすかな音も聞き取れる。音を自在に操る。妖力や妖術の発露を音として聞き取ることができる。人間の聞き取れない波長の音も聞き取れる。音の反響で見えない場所のものも正確に把握できる。1キロ離れた場所で落ちた針の音も聞き逃さない。

■職業:留学生

■経歴:父はソロモンの魔神72のひとりアムドゥキアスで、人間の母とのハーフ。東欧がきな臭くなってきたため、母の勧めで避難も兼ねて日本へ留学してきた。

■人間に対する態度:友好的

■所属コミュニティ:日本での所属コミュニティは旧居留地東洋海事ビルヂング。ただしあまり顔を出さない。故郷でも所属するコミュニティがある。

■弱点:ハーフであるため、死んでもいずれ復活する能力を持っていない。

■推定脅威度:900

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