【果てしなき血河の先に】
魔法の設定について("果てしなき血河の先に"他)
※注:自主企画「魔法の設定について根ほり葉ほり質問です。」の質問群への回答です。基本的には「果てしなき血河の先に」に関するネタバレになります。
■質問A群(必須)
◇質問
0-1
作中において、作中世界における理解とは別に魔法についての設定はありますか? 例えば、信仰の対価とされているが実際には自然法則の一つである、というように。
◆回答
魔法は物理法則の一側面である。科学も物理法則の一側面である。物理法則自体は単一だが、それを認識する人間の世界観ごとに物理法則は振る舞いを変える。魔法の存在を許す場合、物理法則は多種多様な精霊(神、妖怪、半神、悪霊、魔神)として振る舞う。裏設定ではなく作中で立てられた仮説であるが事実である。
■もし存在するなら、これから答えることについて必要に応じて二つの解答を用意しなさい。その場合、裏設定の方を()で括るか、別の方法で区分すること。
◇質問
0-2 人間は存在しますか? 存在しないか、メインの種族ではない場合、これからする質問に出現する人間の単語を、主に活躍する種族に置き換えて答えて下さい。
◆回答
存在する。物理法則を認識できる者が"人間"である。
◇質問
0-3 その種族について簡単に説明して下さい。
◆回答
基本的にはホモ・サピエンスだが、異星人、機械生命や恐竜人類、鳥類より進化した人類などあらゆる種族が"人類"と呼ばれうる。知性と概念を持つ者すべてが人類と定義される。
◇質問
・魔法(あるいはそれに該当するもの)とは何ですか? 端的にその概念を説明して下さい。
◆回答 テクノロジー。精霊の助力を得ることで行われるもの。物理的活動も含む万物が魔法である。科学技術は広義の魔法であり、逆に魔法は広義の科学である。
◇質問
・その世界における魔法的分類を箇条書きで述べなさい。また必要に応じて説明を加えなさい。
◆回答
それぞれの世界で主流の"世界観"における支配的な物理法則について述べる。それはそのまま魔法の分類である。また世界の番号は便宜上である。
なお、この項以後は魔法と呼称する場合、"剣と魔法"における魔法について取り扱う。
始原世界:天地創造 物理法則が相転移しつつある状況。最終的に"
第一世界:科学
我々の知る科学である。
第二世界:樹海
科学と非常に似ているが、量子論と熱力学、相対性理論の挙動が我々の宇宙と異なる。ニュートン力学がより支配的。
第三世界:
物理法則が精霊として振る舞う。人類は精霊と交渉し、様々な援助を得る事が可能だが、一方で精霊も人間に対して興味を持っているため科学とは打って変わって安定した挙動をしない。故に科学技術の基礎となるニュートン力学をはじめとしたさまざまな物理学を発見することは不可能である。
第四世界:
白亜紀末期より生き延びた恐竜たちの子孫、恐竜人類たちの属する物理法則。夢と現実の境界が曖昧で、自己のイメージを現実の自分自身に投影できる。現状では構想のみの世界である。
◇質問
・その世界における魔法的生物の分類を箇条書きで述べなさい。必要に応じて説明を加えなさい。別途、人間について述べなさい。
◆回答
妖精、霊獣や妖怪と言った存在は魔法的生物ではなくカテゴリ的には精霊に区分される。
■質問A+α(出来れば1~3は必ず答えて下さい)
◇質問
1・魔法の発動に必要な要素を箇条書きし、それぞれに説明をつけ加えなさい。
◆回答
精霊とのコミュニケーション。強烈な思念で強制することもあれば会話によって交渉する場合もある。精霊の機嫌を取るために祭壇や祭り、供物が必要な場合もある。基本的には精霊を発見し、交渉し、必要な援助を引き出すのが一定以上の力量を持った精霊に対する対応となる。
◇質問
2・例外について述べなさい。
◆回答
精霊を天地の"気"として認識し、それと一体になることで術を行使することができる。本質的にはコミュニケーションと原理は同じである。仙人たちの魔法体系。
◇質問
3・魔法についての専門用語を全て書き出し、一つずつ定義を説明しなさい。
精霊 万物に宿る諸霊。物質や概念、現象、あらゆるものに対応する精霊が存在する。地球においては神や妖怪、悪魔と言ったものに区分される存在も精霊と呼ばれる。
精霊のいたずら 物理法則を運行しているのは精霊である。彼らは意思を持ち、また気まぐれであるため厳密な挙動を(特に人間が観測しているときは)しないという特徴を持つ。一例を挙げるならば印刷物も常に正しく印刷されるわけではなく、何も書かれていなかったり、文字が反転していたり、全く別の文面が生成されていたりする。
◇質問
・魔法は万能ですか。
◆回答
万能ではない。例えば魔法でスマートフォンを作ることはできない。魔法の存在を許す物理法則下ではスマートフォンの製法の前提である物理学を発見できないからである。
◇質問
魔法とは何かを再び明らかにし、魔法で出来ることと出来ないことについて述べなさい。
◆回答
魔法の存在を許す物理法則は不確定性が非常に大きいため、我々の世界における物理法則を観測しようとしても擾乱されてしまう。すなわちニュートン力学をはじめとする物理法則を発見できない。一例を挙げれば、リンゴを2個同時に落としても、精霊がいたずらをして片方を先に落とすかもしれない。極端な場合ならば両方が真上に飛んでいくことすらありうる。
逆に魔法はエネルギー保存法則に縛られないため、物体の質量を変化させたり空間を捻じ曲げることもできる。自然現象や器物、土地に宿る精霊と交渉することで河の水を治めたり、太陽を隠したり、歌声の届く限りの石を集めて家の形になるように命令したりといったことができる。精霊は知性があるため、泥人形などの依代を与えれば物理的な労働に従事させることも可能。他に、精霊は計量にも関わっているため"羊の数を増やす"ようなこともできる。精霊と会話しながら羊の数を数えていき、途中で精霊の気を逸らす。数えるのを再開する際にもとより大きい数字で数えていけば精霊も数を誤認し、結果として羊の数が元より多かったことになる。落語の"時そば"のような原理である。
■質問B群(できるだけ答えて下さい)
◇質問
・魔法の発展の歴史について概略を述べなさい。
◆回答
三千年前には既に仙人たちが存在していたがこれは現代では主流ではない。彼らの大半は地球に居住することを選んだからである。
近世までの魔法は地球における科学同様、不安定で力も弱かった。技術的蓄積が足りなかったためである。それでも千六百年前には力ある巫女が火山の噴火の制御に成功するなどの大魔法を成功させており、彼ら彼女らがその力で国を建てたことが現代まで続く魔法の進化の礎となっている。当時の魔法は個々人の資質による部分が非常に大きかったが、魔法使いの数は国力ということもあり魔法使いの数は徐々に増えて行った。そしてこの百年余りでは魔法は劇的な進化を遂げ、かつては再現が困難だった大魔術や新型の魔法兵器などが出現して今日に至る。
◇質問
・魔導書は存在しますか? するとしたらどのようなものですか?
◆回答
存在する。書籍全般が比較的高価であるが、図書館制度が普及しているために庶民でも閲覧は可能である。
◇質問
・魔法による環境問題は存在しますか?
◆回答
存在する。数千年にわたって濫用されてきた魔法によって"汚染"された世界では様々な魔獣や地質学的に存在しえない地形、自然現象が観測される。歌う花など様々な取り換え子は魔法の濫用の結果出現するようになったし、空飛ぶ島、居住しうるほどの大きさの海中の泡なども魔法的な環境汚染の結果である。ただし地球の環境汚染と異なり有害とは限らない。また、これらは環境問題としては認識されていない。
◇質問
・戦争において魔法はどのように使用されますか?
◆回答
ごく原始的な白兵戦を含むあらゆる場面。代表的なのは"甲冑"と呼ばれる12メートルの二足歩行兵器である。人体を模したからくりに高位の精霊(地球の神霊で表すならば素戔嗚尊クラス)を降ろしたこの依代は、標準的なものならば矢除けの加護と呼ばれる魔法によりあらゆる飛び道具を無効化し、時速170kmで走り、100トンの質量から繰り出される破壊力は地球の戦車やビルディング、首都高を容易く破壊できる。魔法的防御も万全であるため生半可な術は通用しない。半面視界は劣悪で通信機器を備えないため、歩兵との連携は必須。国家でもトップクラスの剣士が操縦する。数える単位は"領"。大国で400~500領程度が配備されており、整備も含めた長期的な運用には一領につき400名程度の人員が必要。
◇質問
・日常生活において魔法はどのように使用されますか?
◆回答
我々の世界におけるテクノロジーと同様に深く浸透している。例をあげれば豊穣の儀式、修理の魔法、ひとりでに動く揚水器、各種労働をする泥人形、自然物に宿る霊を従える歌などである。
◇質問
・商業的活動における魔法の利用について答えなさい。
◆回答
上記に加えて遠距離での会話を可能とする水鏡を用いた念話などが存在するが、地球における通信機器ほどの性能はない。
◇質問
・迷宮、あるいは冒険者にまつわる魔法の利用について答えなさい。
◆回答
いわゆるダンジョンとしての"迷宮"や"冒険者"は存在しない。
◇質問
・人間以外の知的生物による魔法の利用に特筆すべき所があれば答えなさい。
◆回答
"取り換え子"の持つ魔法的能力がそれにあたる。
◇質問
・動物的存在と人間社会から見做されている生物による魔法あるいは魔力の利用について述べなさい。
◆回答
世界には時折世界の外側へと通じる穴が空く。その存在に気付き、利用できるのは猫だけである。魔法的能力と呼ぶべきかどうかは不明。また一般にはこの事実は知られていない。山猫を祖霊として崇める一族が伝承として伝えるのみである。
◇質問
・魔法的特質と身体的特徴(あるいは身体)に関係がある場合は述べなさい。例えば、髪の毛の色は魔法属性を表す。髪に魔力が溜まるので伸ばす、血液や身体の一部が魔法行使に役立つ、などです。
◆回答
基本的にフレイザーの"金枝編"で語られているようなものは現実に作用すると考えて差し支えない。一例を挙げれば身体障碍者は魔法的な能力に優れるなどである。
◇質問
・使い魔は存在しますか? どのような存在ですか?
◆回答
存在する。生物と魔法的つながりを構築する。簡単な用事をさせたり意思を伝えあうことができる。
◇質問
・鑑定魔法は存在しますか? するとしたら、その仕組みについて答えなさい。
◆回答
存在する。単純に器物霊に訊ねればよい。機嫌を損ねなければ、来歴や機能について答えてくれるだろう。
◇質問
・契約魔法、あるいは隷属魔法は存在しますか? するとしたら、その契約あるいは隷属を担保しているものは何ですか? その仕組みについて答えなさい。
◆回答
個人間が契約するにあたって精霊に誓ってその証拠を寺社に収めるなどの契約は存在する。通常、精霊の報復を恐れて意図して反故にすることはまれである。隷属魔法と呼ぶべき魔法はないが、人間の認識を狂わせたり憑依したりといった精神や魂に関わる魔法は存在する。
◇質問
・治癒魔法は存在しますか? そのメカニズムについて述べなさい。
◆回答
存在する。一例を挙げるなら、神社の境内で
◇質問
・奇跡と魔法の差異、あるいは関係性について述べなさい。
◆回答
魔法は異なる物理法則の産物であるが、奇跡は起きないから奇跡と言える。
◇質問
・生と死にまつわる魔法は存在しますか? 例えば、治癒魔法の蘇生、ネクロマンシーなどです。存在する場合、霊魂は存在しますか?(実体二元論を採用していますか?)
蘇生やネクロマンシーのメカニズムについて述べなさい。
◆回答
死者の霊魂は存在するかどうか不明である。生きた魔法使いが他者に魂を移して憑依したり、肉体を交換することは可能である。死者と魔法によってコミュニケーションに成功したという例はない。魔法で死体を動かすことは可能だが人型の物体ならば何でも魔法で操ることは可能であり、ネクロマンシーではない。なお人間に限らず加工されていない死体を操ることはたいていの地域で違法である。
◇質問
・攻撃魔法について述べなさい。
◆回答
攻撃的な儀式魔術とその対抗儀式が高度に発達している。山脈を破壊したり島を消滅させることも可能である。対する防御手段はそれ以上に発達しているため、基本的には敵国に対して致命的な儀式魔術を行使しても意味はない。ただし純粋に物理的な大規模攻撃、科学技術による小惑星投下や熱核攻撃をこれらの対抗儀式で防御することはできない。
◇質問
・攻撃魔法はどの分野においてどのように発達してきましたか?
◆回答
直接的な攻撃魔法としては
基本的には戦争はこれらの魔法が通用しない12メートルの魔法兵器を前面に押し立てて行われるため、正面戦闘ではなく敵歩兵や大型の泥人形などの補助戦力を撃破する手段として用いられる。
その他、河の精霊に頼んで敵を押し流したり、火の精霊に祈願して百メートル近い炎の壁を出現させたりといった戦術がとられる。
◇質問
・魔法の教育機関や魔法教育の普及の状態について述べなさい。
◆回答
魔法の幼児に対する教育を行うのは両親あるいは年長の家族である。長じれば村の祭祀や巫女などから読み書きと共に基礎を学び、才能のある子供であれば魔法使いに弟子入りしたり神殿に入ってより高度な魔法を学ぶことができる。この学習の過程での覚え書きは生涯にわたって保存され、追記され、参照される。これが最も一般的な魔導書である。
◇質問
・理論と技術は一般的に結びついていますか? また魔法の場合はどうですか?
◆回答
理論と技術は結びついている部分が多々ある。いずれも魔法に関してである。
◇質問
・科学的手法による探求は行われていますか?
◆回答
物理法則が科学的手法をそもそも許さない構造である。
◇質問
・魔法業界について説明しなさい。
◆回答
魔法が関わっていない分野が存在しないため、魔法業界という概念は存在しない。
◇質問
・魔法による環境問題は存在しますか?
◆回答
上記の通りである。
◇質問
・地域的な魔法の普及率を答えなさい。
◆回答
ほぼ百パーセントである。
◇質問
・魔法の専門家の仕事や職業、就職について答えなさい。
◆回答
王。高位の精霊と交渉し、その威をもって国を治める神権政治が基本的な政治体制である。
他に神官、教育者、研究者、地域の長、軍人など。あらゆる分野に魔法の専門家がいる。
■質問C群(該当する方は答えて下さい)
◇質問
□ 魔法は何らかのエネルギーを消費して行うものですか?
◆回答
そもそもエネルギー保存法則は成立していない。精霊の霊力は無限である。
◇質問
□ 属性は存在しますか?
◆回答
個々の精霊ごとの性質という意味では存在する。厳密な区分は存在しえない。魔法の根本原理として最も適切な地球の概念は、例を挙げるとするならば「砂山のパラドックス」である。砂山から一粒の砂を取り去っても砂山のまま。それを繰り返しても砂山であり続けるが、では最後の一粒では砂山ではない。どの段階で砂山でなくなるのか判断するのは不可能である。それと同様の曖昧さを精霊は持っている。
■もし、そうであれば以下の質問に答えなさい。
◇質問
・属性とは何ですか。人は何を属性と呼んでいるのですか。
◆回答
上記で解答済みである。
◇質問
□ 魔力、マナあるいはそれに該当するものを利用しますか?
◆回答
個々人の精霊との親和性、干渉能力、精霊の能力の大きさという意味合いで霊力という概念は存在するが、エネルギーではない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます