短編集

@fumu

夜と朝の間

 目が覚めるとまだ時計は4時を回っていなかった。あと4分ほどで世界は目を覚ます。そしたら夜の世界はベッドの下に潜りこんで、眠りにつくのだ。

 静かで冷たい夜の空気がひっそりと漂っている。この夜と朝の間の4分間だけは、だれも世界を認識できないのだ。そう考えると、なんだか得した気分になる。

 時計の音に耳を澄まして、わたしは夜の世界と一緒に、もう一度眠りにつく。

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