ウエストがすごくできるやつ。
今井、君+箱野環+長谷川秀春 MV出演の件でヒデさんの所に衣装合わせに行きます、実はヒデさんはMVの監督的なこともやってくれてます。
失楽園の今井&君は先日MV出演の依頼を頼んだ俳優 箱野環の衣装合わせのため、長谷川秀春のスタジオに向かっていた。
車中
君「箱野さん、ありがとうねー!」
箱野「え?なにがですか?」
君「出演依頼受けてくれて!急なのに!」
箱野「いえいえ、すごく嬉しいですよ、こちらこそありがとうございますー」
君「えへへ、これからね箱野さんの衣装合わせをするからね、僕らの専属のスタイリストさんのスタジオに行くんだ、そこまでは聞いてるよね?」
箱野「はい、聞いてます、長谷川秀春さんですよね、1度テレビのインタビューを見まして‥‥」
今井「‥‥‥‥そういえば‥‥‥ヒデさんのフルネームそんなんだったな」
君「今井くんの急な発言は話を違う方向に向かわすのでやめてくださーい!今のは流してね?」
今井「‥‥‥‥っふ」
箱野「え、ふふ、あ、それでインタビューを見た時にお酒がお好きと聞いたので今日、持ってきたんですよね」
君「それ喜ぶよっ!ヒデさんはお酒を渡しときゃいいからね!‥‥あ、着いた〜」
移動用のワゴン車からおりる(運転は今井、君も免許はあるけど運転をすると真顔で喋らなくなるので)
君や今井からしたら相変わらずだが、箱野はこのよくわからない文化の中に生まれたような建物が不思議でたまらなかった、左側の窓ガラスはひたすら大きく近未来的かと思えば、玄関はアンティーク調。そこに今はいろうとする。
箱野「‥‥‥‥」
君「‥‥箱野さん、大丈夫?このスタジオ最初ちょっと怖いよね!」
今井「‥‥‥‥‥‥変な感じするよなここは」
カランカラン
ドアの飾りが揺れる、前回行った時は布やらなにやらが散乱していたが、今回は革や金具類が多い。
君「あれ、今日は綺麗だなあ」
箱野「(綺麗なのかなこれは)」キョロキョロ
今井「‥‥‥‥ヒデさーん」
奥の方からひょこりとピンク頭が飛び出た、キャスターチェアに座った長谷川である。
秀「んー?お、今井じゃーん、んで後ろが、箱野くんね!今日よろしくー!!」
器用に足でキャスターを動かしながらこちらにくる。
君は不服そうに長谷川の方に向かう。
今井はこの時ヒデさんを確認したので、スタジオ内を探索に行きます会話には参加しないが聞いてるっちゃ聞いてる。
君「‥‥俺もいるんですけどっ」
秀「ごーめん箱野くんで見えなかったよっ、はは、ん?箱野くん荷物持ちかい?」
箱野「はじめましてー、箱野環です、あの、これ今日、お世話になるので、お酒持ってきました」
秀「んー?!わざわざさんきゅー!ええーじゃあ冷蔵庫にしまおー、ありがとうねー、あ、箱野くんそこ座ってくれる?」
そこ、とはさっきまで長谷川が座っていたキャスターチェアである。長谷川は近くの冷蔵庫に酒をしまった。
箱野「いいんですか?え、失礼します‥‥」ポスンッ
フカフカだ、上質な皮とかではなくクッションを敷き詰めた用なフカフカ、そして何故か凄く重い、綿しか入ってなさそうなのに、彼はいままでこれを足で走らせていたのか。君は興味津々に椅子を見る
君「んえーこれいいねー、ぬいぐるみに包まさってるみたい、箱野さん座り心地いい?」椅子触る
箱野「なんか凄いフカフカします、んわっ」
長谷川は箱野を椅子ごとこっちに向かせる。
秀「ゴホンッ、えー、箱野くん、まーず、先に言っておきますよー、今回のMVでのきみの役は一応(客)だ」
箱野「‥‥っはい」
秀「ですが!客っぽいことはしません、特に設定があるわけでもないんだ、ただ浮いてたり座ってたりして欲しいだけだ、意味のないことをするあたりは映画とかドラマとかとちょっと違うけど大丈夫かい?」
箱野「はい、大丈夫です」
秀「特にこの楽園失ってる人達のMVは意味わからなくて評判だよ〜?星野がひたすらこっちを見て涙を流すだけとかやったからねー」
君「んふふっ‥‥」
箱野「‥それ見たいですね‥頑張りますっ」
秀「‥よおしっ‥、んじゃ、俺ちょっと衣装持ってくるから、」
そう言いながら長谷川は奥の方に消えた。
今井「‥‥‥」フラッと戻る
君「おかえりー」
今井「‥‥これ、落ちてたわ」
今井はスタジオの何処かにあった花図鑑を何故か箱野によこした。
箱野「え、なんですか‥‥」ペラッ花図鑑見る
今井「‥‥いや、なん‥となく?」
君「落ちてたんだ、っふふ」
今井「‥‥‥‥落ちてた」
箱野「‥‥‥‥」ジー図鑑を見続ける
奥から軋む音がすると、箱野のマネキンを担ぎあげた長谷川が戻ってきた。衣装がついている。
秀「えーしょっ、んしょ」
箱野「わっ‥」
箱野は自分に似たマネキンを見て少し困惑する。
秀「だーいじょぶだーいじょぶ!マネキンだよ、」ゴトン
箱野「すごいですねえ‥‥、‥む、これが衣装かあ…」図鑑を置いてマネキンのまわりをうろつく
白いブラウスだ、襟には柄がついている、右にストライプ、左に水玉、セーラー程ではないが大きめの襟だ。下はサスペンダー付きの裾が広いズボン、それにコルセットがついている。
秀「本人を生で見た所似合いそうだがなっ、‥‥ン?あれ!?花図鑑どこにあったよ?」花図鑑手に取る
今井「‥‥あっちに飛んでましたよ」
秀「まじか探してたんださんきゅー、これ結構載ってんのよ、好きな花とかあった?」
君「俺見てないや、箱野くんどうだった?」
箱野「‥‥‥‥‥‥え、あ、僕ですか?、僕はですね、‥‥菖蒲とかが好きです、あと、霞草ですねー」
秀「ほーほー、大人しめだな」霞草の頁を開く
君「‥‥見せて下さいー、‥‥きれー!これ外で似てるのよく見るやつだ!たしかお花って一つ一つになんかついてるよねっ、霞草のははなんだろ」
今井「‥‥‥‥?花言葉か」
君「そーそー!」
秀「この図鑑はたしか後ろに‥花言葉の頁が‥、あった、‥‥菖蒲が(メッセージ)、霞草が(幸福)だな」ペラッ
君「幸福‥‥!幸福だって!」
箱野「へー、贈り物に良さそうですねーっ」
秀「‥‥‥‥」
秀「霞草‥‥‥‥‥‥持つか」
箱野「え」
秀「終始霞草を持つことにしよう、幸福の花言葉が気に入った!!あと箱野くんに花を持たせたい、撮影の時持ってくるわー」
箱野「ほ、あ、ありがとうございます?、え、
‥‥‥‥えと、じゃあ僕着てきますね」
君「うん、試着室あっちだよ、プライバシーを保護できるよ!バッチリ!」
今井「っふ、‥‥‥‥」
箱野「‥‥着てきます、ふふ」
試着。
箱野「‥‥着れてます?」
みんな近寄る。
今井「‥‥うん、いいな」
君「‥これ!ウエストがすごくできるやつだ!俺の衣装にもあんだよね!」キラキラした目で周りをウロウロする
今井「コルセット」
君「コルセットコルセット!」
秀「良かったサイズいいな!、似合う似合う、ちょっとコルセット締めすぎだがな」コルセット緩める
箱野「んっ。やっぱり苦しかったのは締めすぎでしたか」
秀「そもそも今回コルセットは飾りに近いからねー‥‥、よし‥‥これで衣装は終わり、撮影の日はメイクさせてもらいます、3日後に撮影よろしいか!」
箱野「はい、よろしくお願いします」
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