猫太郎

全員


最優先はリハーサルだが他に仕事はないそんな期間。

上機嫌の君がいつもの倍の荷物でスタジオに入った。

レコーディング室は広いがスタジオの控室(荷物置き室)はそこまで広くはない、ベースケースが今井の頭にぶつかる。


今井「っいて」

君「あっ、ごめん今井くん」

今井「‥‥今日‥‥お前荷物多くね?」

君「んっふふふ〜秘密秘密、今井くんはやくレコーディング室行こう、ふふ〜」


終始上機嫌のまま君は控室を後にした。


そしてみんなレコーディング室に集まる。


星野「‥君、それなに?」


君「見てみて!!」

君はパンパンのバッグからなにかをだす。


最初に目に飛び込んだのは鮮やかなペパーミント色。

長くまっすぐで中途半端な太さのくったりしたなにか。

猫耳、目は真っ黒、口はミッ〇ィーばりのバツ印。


君「猫太郎!!俺は猫太郎を失楽園の公式ツアーグッズキャラクターにすることを希望します!!!」


明「嘘だろお前!!」

星野「っふふふふ」

今井「‥‥っふ」


君は猫太郎のぬいぐるみを4体引きずり出し、メンバーに渡す。


君「麻兄さん猫好きでしょ?」

星野「‥猫は好き‥この子も嫌いではないけど‥‥これを猫と認めない」

今井「っうひゃひゃひゃひゃひゃ」

明「‥‥‥色が目に悪い」

否定的なのかもよくわからない評価。

君「えー、公式のキャラクターがいないから丁度いいかなあって思って、可愛いのに‥‥」


不服そうに君は唇を窄める。


明「‥‥どうしたんだよこれ」

明は猫太郎の首根っこを掴んで振る。

君「ちょっと!持ち方考えてよー!‥‥、特注で作ってもらったんだあ」

明「だれにぃ!?」

君「ぎょうしゃしゃん」

明「言えてねえじゃん、」

君「ぎょうしゃさん!くっそー!巨人コテンパンにしてやる!」

明「おっ?お?っ、かっ、やるかあ!?」


あまり興味のない今井はケータイのメールを確認する、メールが一つきていた。


今井「‥‥衣装、試着してくれって、ヒデさんから」

星野「‥‥ああ、じゃあ、今から行こうか」

明「っだってよ君、さっさと行くぞ」

君「‥‥!ヒデさん!ヒデさんに決めてもらおう!ヒデさんは俺らの好きなセンスの塊だから!!」

君は両脇に猫太郎を抱き抱えて控室に突っ走る。


明「あれは‥‥なかなかだぞ」

今井「‥‥‥‥麻、いいのか、ありゃ」

星野「‥‥悪くはないし、ヒデさんに決めてもらおうか、面白いし‥‥、っふふ」


次回はヒデさんのスタジオから。つづく。

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