花の名は。

おいでよ名古屋@名古屋市非公式萌えキャラ

1話-種



私は誰なんだろう。



何のために毎日を過ごしているのだろう。




そんな考えが、ふと頭を過った。




思えばこれが終わりで、これが始まりだったのかもしれない。









自然と手が伸びた、会社のPCで調べたのは「退職届の書き方」



調べて感じた。




「なんだ、人生って簡単に変えられるんだな…」





会社に不満があったわけでもなければ



やりたい事があるわけでもなかった。











退職届を上司の机に置き、実家に帰って開口一番両親にこう伝えた。




「私、家出るね。来月。」






自分の意見を伝える事もなくこれまで育ってきた私が、初めて口にした本気の言葉だった。



両親は驚きながらも、ただ一言「わかった」とだけ言ってくれた。









その日から、私は新生活への一歩を踏み出した。




自分を見つけられないまま大人になった私が新生活をうまく過ごせるかどうか、不安な気持ちもあったが、期待の方が大きかった。









初めての一人暮らし。




どこに住むかも、今から自分で決められる。



「どうせなら私の知らない場所で、誰も私を知らない場所に住みたいな…」







「…あぁ、そうだ…ここにしよう。」









…これは、まだ未熟な私が



これから育っていく街と


一緒に歩む、毎日の物語。

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