第62話 未来へのおくりもの。(一部小ズルいエロ)


──王都逗留6日目。



「カズマー? そろそろ起きて下さいなー。」




ノックの音…めぐみんの声……

なんだかあったかい……もうちょっとだけ…



「…カズマー? もうお昼前ですよー?」



……うーん……もにゅっ……ん?

…もにゅ?


「…やん…カズマさまぁ…まだ欲しいの…?」


目の前におっぱい。


おっぱい?!


「──?!」


ガバッと起きあが……れない?

シーナだ。


シーナが全裸で絡みついていた。


「何やってんだよ?! おまっ お前…?」


背中にも柔らかな感触があると思ったらニーナ…もちろん…全裸か。

少し恥ずかしそうにシーツでその豊満な身体を隠しながら


「…カズマ様が脱がされたのですよ…? その…身体も…触って頂けて…嬉しくて…。」


と真っ赤になりうつ向くニーナ。


「…お 俺が?! マジで?!」


シーナはなぜか自慢げにおっきい胸を張る。


「そーよー? 酔ってそのまま机で寝てたから、私たちがベッドに運んで、お側に添い寝したら、カズマ様が私たちの寝巻きを剥いで、ニーナの胸に貪りついたのよ? 私も我慢出来なくなって上に股がってやったんだけど…。」


「だけど?!………ヤっちゃったのか?俺?!」


ニーナはひどく残念そうに首を振った。


「いいえー。そのまま寝てしまわれましたー。もぅ!準備万端だったのにー!」


「よ……よかった…。」


ホッと肩を撫で下ろしたカズマに、ニーナが珍しく不服さを露にして


「…私たち初めての方はカズマ様って決めてるのに……。」


「いやいやいや!その大役はドラゴンにしとけ?!」


「やだー。カズマ様の赤ちゃん産みたいのー。私たちなら一発で当たるから、ね? どんなプレイでも望むままですよ? 中出し大歓迎ー♪」


「一発で当たるとか中出しOKだとか…処女の台詞じゃねぇよ?! お前さてはサキュバスだろ?!」


「…ドラゴン族に破瓜の痛みは無いのです…。それに私たちは幼い頃から人間界の様々な知識を教えられていますから、シーナの言うように、カズマ様を悦ばせることも決して難しいことでは無いのです。」


「それがあの素マ〇ローションプレイか?! すげぇよドラゴン族!入りてぇな?!」


「大歓迎~♪ さっ?夜の続きしましょ? もぅおっきくなってるし~♪」


「なるさ?! 朝だしさ?! こんなんチラついてるしさ?!」


もっとも、丸出しのシーナよりも、シーツで前だけ隠して恥じらってるニーナの方に、断然カズマのカズマさんは反応しちゃってんだけど。

同じ顔で同じ身体なのに不思議なもんだ。男の子は奥が深い。


「カズマー? いいかげんに起きて下さいなー?」


不味い‼

めぐみんの事をすっかり忘れてた!


「おっ お前ら?とっとと服を着ろ! 死にたくなければ言う通りにしろ! 下手すりゃゼロ距離から爆裂魔法撃ち込まれるぜ? 急げ!」


「「はっ はいっ!」」


慌てる二人。

まぁ寝巻きで俺の部屋に居る時点で詰んでるような気もするが、ノリで何とか誤魔化そう。


「カズマー?開けますよー?」


ヤバい! こうなったら…


「カズマ?………あら?お前たちだけですか?カズマは?」


「「…さっ さぁ? 昨夜から私たちだけです…。」」


「……おかしいですね…。ここでカズマが学校の図面を引いてたと思うんですが…。」


訝しげなめぐみんの背後を潜伏スキルでそろそろと……

……脱出成功!


あとは……


「めぐみん? 何やってんだニーナシーナの部屋で?」


「…カズマ?! ……どうやら部屋を間違えていたようですね。ごめんなさいねお前たち。」


「「いっ いいえっ!お気になさらないで下さい!」」


カズマはめぐみんに近づき


「もう昼メシかな?奥さん。」


と抱きしめた。


「………………………………カズマ……何だか赤い長い毛がシャツの中に生えてますよ?」


胸の中の奥様からあんまり聞いたことのないトーン。えぇっ?! 髪?!


「あ?そっ…そうか。なんでかなぁ。はは。」


「…何だかいいにおいがしますね…。」


すんすんする奥様。ヤバい‼


「そっ…そうかなぁ。なんでかなぁ。ははは。」


「……。 …………この首もとの紅いの何ですか?胸も…?」


シーナの顔が一気に青ざめた。

こいつ!ラブバイツ付けやがったな?!


「えっ?むっ 虫刺されじゃないかなー?ははは。」


「…………。」


奥様が黙りこまれました。

非常にヤバい。


「…………………。」


えっ?えっ?


「ちょっ? ちょっとめぐみん? ははは。 なに呟いてんだ?」


「………………………。」


「いやいやいや!めぐみん?! それってまさか?」


「…紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど………」


「ちょっと待てめぐみん?!落ち着けって!なぁ?」


「…我は万象昇温の理。崩壊破壊の別名なり……」


ニーナシーナが異様な空気にガタガタと震えている。


「さすがにそれは止めとけ!ほんとにヤバいってば?!」


「…大丈夫です。あなた独りでは逝かせません。小娘たちはぐっちょんぐっちょんにしますが…」


「止めとけ!王城が吹っ飛ぶぞ?! 止めろってば!……もぅ!」

「死ね!小娘たち─────☆*$£¢?!」


羽交い締めから思いっきりディープなキス。

さすがのめぐみんも、ぐったり力が抜けた。

間髪入れずベッドに押し倒す。


キスをしながらニーナシーナに手だけでしっしっ。

そのままの勢いでめぐみんを脱がせる。紅魔のローブは脱がせやすい。すぐに小ぶりで綺麗な胸が出る。


「…やん…ドラゴンが…見て……ぁん…」

「見たいなら見とけ!知らねーよ!」

「…ぁ……ん……い…や……ぁん…」


背中に視線を感じるがやむを得ない。この勢いを逃せばゼロ距離爆裂魔法だ。めぐみんすまん。


「は……ぁ…ん……んっ…ぁぁああ!」



その後30分は激しく○●●○が○○た…。



****************



「カズマー♪カスタードパイ焼きましたよー♪アイリスとクレアさんもどうぞ♪」


「……ありがとな…。」

「むむぅ。何だか嫌な感じね…。」

「おぉこれは美味そうだ。」


めぐみんはごっきげんで三時のお茶を給仕する。

男ってなんかズルい。


ニーナシーナは結局一部始終見てから、はぁはぁ言って窓から飛んでったが、その後大丈夫だろうか?


「御用があればいつでも声をかけて下さいな♪それでは♪」


カズマは若干後ろめたいものを引きずりながら、カスタードパイをくわえた。美味い。


「問題ないどころか完璧ですな?カズマ殿! 早速この図面を元に業者を募ります!保育施設も同時に着工しますので、一度ミツルギ殿にも視察をお願いしておきましょう。」


「あぁ。それで頼むよ。理事はアイリスでいいが、校長はいい当てがあるんだ。俺に選定させてくれよ。」


「お兄ちゃんの知り合い? 間違いないでしょうし、いいよ。じゃぁ予定通り、早ければ来年度から全学年受け入れを始めましょうか。」


「頼むよ。俺もちょくちょく顔出すからさ。」


三人が堅く手を合わせる。


今日この日、この世界に初めて学校教育という概念が誕生した。


初めての義務教育制度。初めての専修教育。初めての保育施設。すべてが初めてずくしではあるが、この世界の人々が力を合わせて、手探りしながらより良い世界を模索して行ければいい。

いつかめあねすたちが神々をぶっ飛ばして、秩序を取り戻した時、頭不在の世界が混沌としたものにならないよう、この世界に平和の概念をしっかりと教育しなければ。


それがカズマの一番の狙いで、未来の子供たちに繋げる最大の贈り物だから。


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