気ままに書く詩
@teramon
街道に沿う暮らし
当時の記憶は少しだけ。
ペダルを漕いで、十年前に歩いていたこの街道で足を留める。
早朝、幼い子供の手を握った母たちが何やら世間話をしている。
すぐそばに幼稚園でもあるのだろう。
話が退屈だと言わんばかりに子供が目線を外へ向け、どこかへ行きたがっているが離さない。子供にとっては呪いの手。だがその手には子供を失いたくない、ずっと見守っているよ、という温かさが見える。
まだ三輪車にも乗れていなかった、あの頃。
低い目線から見上げた街道の一角が世界の全てで、そこにはどうしようもない不平や不満はない。ただ、今を感じていた。
ペダルに足を置き直す。
幾つもの過去を重ねて、僕は街道の先へ向かう。
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