翌日

 そう言う氷川コオリカワさんのとおりに、僕たちは山背高等学園やませ こうとうがくえんの門の前にあるバス停ベンチで、再び待ち合わせすることになった。そして日曜日の翌日、僕たちはバス停前に集合した。


「氷川さんが来ていないけど?」


「氷川さんのいい案って~雄一ユウイチ君、何だろうねぇ?」

「もう10分たったよ……」


「きのう、あれだけ話していい案がでなかったから……もし氷川さんの案がダメだったら、今日またここで考えればいいよ」


 僕と津井ツイさん姉妹は、氷川さん指定の時間の朝の8時に到着していた。氷川さんは遅れているのか、まだ到着していない。そこに津井さんのスマホに、メッセージが届く。


「到着しましたっ! って氷川さんのスマホから」


「氷川さん~いないけど?」

「あっ」


 僕たちの目の前に、1台の車が向かって来る。


「氷川さんが車に乗っている!」

「本当だ! 助手席に!」


 氷川さんのいい案というのは、車を手配したようだった。僕たちは2つ山に向かう希望が生まれてきた。僕たちの前に到着した車は停止し、助手席から氷川さんが話す。


「遅くなってごめんなさいっ、みんなでワイワイ~2つ山に車で行こうっ!」


 氷川さんが助手席から降り、運転席からもう一人降りてくる。その人物は僕たちの前まで歩いて話しかけた。


「うちの妹がお世話になっています~」


「氷川の姉にっ 今日、車を出してくれるようにお願いをしたの~」


「私も~2つ山の話は興味があるから、みんなよろしくねっ」


 その場でみんなが挨拶をして、氷川さんのお姉さんと、氷川さんと、津井さん姉妹と、僕の5人が氷川さんのお姉さんの車で、2つ山に向かうことになった。ここで僕が気になるのは、車内の席がどこになるのかだった。


「じゃ~みんな車に乗って~、君は助手席ね」


「あっ……はい……」


 氷川さんのお姉さんが主導で席を決める。僕は複雑な気持ちで車に乗り込んだ……。


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