スマホにメールが来る


「誰からのメールだろう……」


 今日の出来事を思い返している時に、突然スマホの着信音が鳴り送信した人を見る。思い当る人物がいない。恐る恐るメールを確認する。



津井ツイです、太子タイシ君にアドレスを聞きました」



 謎のアドレスは津井さんからのメールだった、姉妹どっちの津井さんなのか疑問に感じながらも僕はメールを読み進めた。



「今日は楽しかったです~出来ればこのアドレスにメールで雄一ユウイチ君から返事をくれませんか?」



 少し不思議な気持ちで津井さんからのメールを読んでいた。

 今日のお昼、なぜか突然に変った出来事。津井さんの去り際の言葉も気になる。すこし思い悩みながらも、謎だったアドレスに返信することにした。


「雄一です、メールありがとう」


 僕はメールの返信内容を打ち込む、しかしこの続きが浮かばない……。初めての人にメールを返信するのは、得意じゃないのかもしれない。文字と本を読むのは好きだけど、メールを書くのは苦手な人種なのだと思った。そう考えながらスマホを持つ手が止まっていた。しばらく内容を考えている。


「あっ」


 僕の手に持つスマホが手から滑り、部屋の床にスマホがガシャンと言う派手な音とともに落ちる。


「うわっ、最悪だよ、壊れていないのか?!」


 床に落ちたスマホを持ち上げると、壊れていないかと画面をフリックして確認する。どうやら普通に動いているようだ。津井さんに返信しようとしたメールを呼び出し確認した。


「あれ? あれ? 途中まで打ち込んだメールがない」


 僕は焦りながら、メールアプリの中身を確認する。さっきのショックでメールが消えたのか、それとも別のところに保存されたのか、色々と頭によぎり中身を確認する。



「……あっ! 途中まで打ち込んだだけなのに、メールが送信されている?!」



 スマホを落としたショックで、津井さんに、未完成メールが送信されてしまった。

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