第3話 なんでお前じゃなくて俺なの?

「ね、俺ってストーカーされていると思う?」

俺の隣にいるハイスペックな男、小松千尋に聞いてみる。

「は?お前はいつから自意識過剰になったんだ?」

自意識過剰だったらよかったのだが、今回はそう言えない。

「違えよ、前言っていた手紙の内容が少しおかしくて」

「手紙の内容なんて元々おかしかったじゃん」

そう、言われればそうなのだけれども…

「だって、バイト先まで知られているし…」

「俺もお前のバイト先知ってる」

「そうじゃなくて……」

「お前、なんか迷惑行為されたの?電話とかメールとかで被害受けたの?」

「電話とかはないけど……」

「ストーカーの定義が何か知らないけど、その子はストーカーじゃなくて、ストーカー予備軍だよ。大丈夫、お前はストーカーされているんじゃない。お前はストーカーされかけているんだよ」

「………うざっ」

こいつに言っても何にもならない。


お前の優しさは俺にはないのでしょうか。

もう少しさ、なんかあってもよくない?

「俺が手紙を貰うだけならよかったけど、今回はバイト先の人にまで迷惑かけそうなんだよ」

「知るか。俺はお前のストーカー予備軍じゃないからわからん」

お前のこと好きなやつに言ってやりたい。

こいつは猫被り野郎です。

本当に優しいわけではありません。

腹黒野郎なんです。

そう言ってやりたい!

そして、その人たちの中から俺の魅力に気付く人がいたら最高だ。

こいつに親しき中にも礼儀ありということわざを教えてあげたい。


そんなことを考えていると、

顔面偏差値が高いこいつは女子に話しかけられていた



なんでお前じゃなくて俺なの?

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手紙の彼女 @you____hasebe

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