No.8『おいしい厚紙・2』

佐原「今日は防災の日だな!」


根岸「違うね」


佐原「今日は防災の日なんだ!」


根岸「ごり押してきた」


佐原「そこで、愉快な防災グッズを、紹介、するんだ!」


根岸「涙目じゃないか」


佐原「だって! だってタイトルが! ぐむー!」


根岸「はいはい、わかったから、タイトル見てないから」


佐原「もっと盛り上げて!」


根岸「……おう」


佐原「さあ!」


根岸「防災グッズか! そうだな佐原、今日は防災の日だもんな!」


佐原「今日は防災の日じゃないぞ」


根岸「殴られたいのかねキミは」


佐原「さっ!」


根岸「ほぅ、それが、おいしい厚紙か」


佐原「つい防御に使ってしまった! ―――っていうか、言うなよー! 俺がー、俺が紹介するのー!」


根岸「はいはい。 ―――お、それがあたらしい防災グッズなのか!?」


佐原「そう! これこそが、おいしい厚紙!」


根岸「食べられるのか……」


佐原「救援物資とかを送った後、その箱がベッドにできるとか、組み立ててロボにできるとか、ゴミになったりとか、いろいろあるよな!」


根岸「そうだな」


佐原「でも、この厚紙は食べられるんだ。 これで災害時の食料の問題も一緒に解決するんだ。 しかもおいしい。 素敵な厚紙なのさ」


根岸「厚紙……。ダンボールでは無いのか」


佐原「ダン………………」


根岸「どうした?」


佐原「おう!? これはダンボールではないな! 厚紙だ!」


根岸「そうだな」


佐原「今回はここまで! はい解散!」


根岸「なんなんだよ」


佐原「おいしさを重視するあまり、ダンボールでないことに気付けなかった」


根岸「ああ、ただ単に間違えたのか」


佐原「うん」


根岸「ときに、その厚紙そのまま食べるの?」


佐原「普通は焼く」


根岸「普通」


佐原「肉汁が出るんだ。おいしさを重視したから、焼くとジューシー、なんつって」


根岸「……へぇ」


佐原「し、しかも紙だからヘルシーなんだ。食べると減る紙ー、なんつって」


根岸「……はぁ」


佐原「そのため息は、ペーパーとかけているんだな!?」


根岸「ひどい言いがかりだ。ちなみにさ、焼いても燃えないの? その厚紙」


佐原「うん、燃えない。よりおいしくなるだけ」


根岸「熱紙になるのか」


佐原「……おぉー」


根岸「なんかすごい感心された」


佐原「厚紙だけにか! うまいな根岸!」


根岸「別にうまくないぞ」


佐原「おいしいのは厚紙だものな!」


閉幕

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