夏炉冬蝉
蝉川夏哉
序に代える心得
書けぬ書けぬと言っている内に十七年の松の内も明け、如月となった。
賤業作家を自称する身の上であるにも拘わらず、最後に自著を上梓したのは先年の夏である。
このままでは生活も立ちゆかぬと筆を執っているが、思うさま進まない日々に関係各所の憤懣やるかたない声が電話口に響く。
一先ず毎日何か書く癖を取り戻そう、ということで、この日記をはじめる。
なにぶん三日坊主どころか一日坊主の気があるので、記事は跳び跳びになると思われるが、御寛恕頂きたい。
日記とは言え、書けることと書けないこととがあるので、その辺りも大目に見て頂きたい。
加えてこれは、生存確認でもある。
生存の意思の、確認でもある。
以上を以て、日記の序と代える。
蝉川夏哉 記
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