第13話 嫉妬のその先
部屋へ着いた3人。葵が小走りでベットに行き飛び込んだ。もうこの部屋は3人の兼用の部屋になっていた。最初に与えれた2人の寝室は最初に来た日以来使っていなかった。
「さ、瑛斗?私と…合体する?」
「え…本気なのか?アリスもいるんだぞ?」
ベットでお色気ポーズをとって瑛斗を誘っている葵。こんな葵は見たことが無い。この世界に来てから葵はかなり変わっていたのだった。
「私…邪魔?他の部屋行こっか?」
「いやいや!邪魔じゃ無いよ!ってかこの部屋アリスの部屋だし居てもいいんだよ?」
アリスは悲しそうな顔をしていた。瑛斗はそれを必死でなんとかしようとしていた。しかし瑛斗がそれをやってもアリスの表情は変わらない。逆に泣きそうになっているアリス。そしてブツブツとつぶやいてる。
「2人が…羨ましい…そんなイチャイチャして…羨ましいよ…」
涙ぐみながらそう話すアリス。瑛斗はかける言葉が見つからない。葵もベッドから降り2人の元へと来ていた。葵が謝るがアリスは泣くのをやめない。瑛斗はどうしたらアリスが泣くのをやめてくれるかを考えた。その時、瑛斗はある事を閃いた。
瑛斗がアリスの前に立つ。そして背中に手をまわしアリスの背中を支える。そしてアリスに話しかけた。
「アリス。顔上げて」
「え…何――」
アリスが顔を上げるそう言った瞬間、瑛斗が強引にアリスの唇にキスをした。アリスはいきなりキスをされ最初は驚いていたが、だんだんとその驚きも無くなり瑛斗のキスを受け入れている。久しぶりのキスだった。アリスの柔らかい唇の感じを瑛斗は堪能していた。
約1分間のキスを終え2人の唇は離れ、2人は見つめ合っている。アリスは瑛斗を直視する事が出来ずに、他のところに視線を向けていた。
「これで満足した?アリス」
「……うん。あ、ありがとう」
「よかったじゃんアリスちゃん。初めてキス出来て!」
「アオイちゃん実は…初めてじゃ無いの。前に1回してて…」
「そうなんだ?初めてのお相手は誰?」
「エイトなの」
葵が瞬きを数回する。少し間隔が空き葵がもう1回聞き直した。
「え?ごめんね、もう1回言って?誰?」
「エイト…だよ?」
葵が瑛斗を見た。鋭い視線で見られ、瑛斗は驚く。そして葵がゆっくりと瑛斗に近づいて来た。
「瑛斗?それ本当?」
「えぇ!?ま、まぁ…本当だけど…」
「いつ、どこでキスしたの?」
「えっと…この前寝室行く前アリスに呼び出された後…寝る前にした」
「あの時…なの?瑛斗が帰ってこなかったから心配してアリスちゃんの部屋に行って、寝ててびっくりしたけど…あの時なの?」
「うん…本当にごめん。許してくれる?」
葵は少しだけ考えていた。アリスを見て瑛斗を見る。
「うーん、特別だよ?アリスちゃんの事だし…」
「ありがとう、葵。そういうところ俺大好きだよ」
瑛斗がそう言うと葵に近づき頬にキスをした。唇を離し、葵を見る。顔が赤くなっているのがわかった。
「別に嬉しくなんかないから…!ほんとうに特別なんだからね」
葵はそう言うと再びベッドに走っていき飛び込む。アリスと瑛斗もそれを見てベッドに向かう。
その後3人は夕食を食べ、お風呂を終えた。
アリスの部屋へと3人は集まりその日は眠りについた。
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