第12話 アリスの嫉妬
2人がアリスから剣の基礎を教えてもらい、次に持っている銃の扱い方を教えてもらった。構え方や装填のやり方などを教えてもらった。
「だいたいわかった?やり方とか…」
「うん、わかったよ。ありがとうねアリスちゃん」
「だな…後は本番でやるって事…か」
「そうなるね。それと、いつ攻め込んでくるかわからないから、いつでも出られるように準備しといてね」
「おう、わかったよ。なんかワクワクするな…」
瑛斗は初めての経験でワクワクしていた。向こうの世界ではあまり経験のできない事だ。葵も少なからずそう感じていた。2人は武器を置き、瑛斗と葵はアリスの指導を終えた。そしてそのタイミングで昼食をとる事にした。時間は2時頃で少し遅めの昼食をとった。
昼食はいつもと違い、軽めだった。パンにコンソメスープだけといういかにもシンプルな昼食だった。瑛斗は机に置いてあるジャムを手に取りそれを塗り口へと運んだ。3人は黙々と食事を進めていた。
3人は昼食の間、何も話さなかった。理由は特にはないがお腹が減っていて話している暇が無かったのだった。昼食を食べ終えると、男性が使っていたお皿類を持ち、部屋を後にした。なんだか自分たちも偉い人たちになったような感じだった。食堂を後にし、廊下を歩く3人。
「この後…どうしよっか?なにする?」
「なにかして遊ぼっか?3人で」
「じゃー、私エイトとアリスのラブラブイチャイチャするのが見たいなー。それでいい?」
「俺は大丈夫――って痛っ!?」
葵の拳が瑛斗の頭に直撃した。葵が恥ずかしそうに2人に話していた。
「だーめ!そんな事するの恥ずかしいもん!それにそういうのは2人きりで…」
頬を赤らめながら葵はアリスにそう言った。他の人に見られならがらそんな事をするのはかなりの抵抗がある。たとえ同性であっても嫌な事だ。
「なら…3人でする?なんて言ってみたりして」
「俺は別に気にしな――痛っ!また!?」
また葵が瑛斗の頭を殴った。両手で殴られた部分を押さえている。そしてうっすらと涙が浮かぶ。かなり痛いらしい。
「それもだめ!瑛斗はわたしのなの!アリスちゃんにはあげないもん」
「彼氏かぁ…私も欲しいな。けど色々ルールあって彼氏作るの難しくて…」
「だから俺が――」
瑛斗は葵の拳が飛んでくるのがだいたい予想がついていた。そして予想通り葵の拳が飛んできた。それをギリギリで避けた。
「さすがに3回目はやられないよ。葵」
「もう…瑛斗、浮気なんてしたらどうなるかわかるでしょ?」
「わかってるよ。俺は葵が1番大好きだからな」
「もう、瑛斗ったら!」
葵が照れながら瑛斗の肩を叩いた。それは無駄に力が入っていて痛かった。アリスは2人のやりとりを羨ましそうにして見ていた。その表情は2人のやりとりを見て楽しそうに見えたし、なんだか悲しようにも感じられた。
「私も早く…つくらなきゃ…」
アリスが小さくつぶやくが、瑛斗と葵にはそれは聞こえてはいなかった。2人はその事に気づく事無く、部屋へと戻って行った。
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