第8話 アリスの秘密

アリスがドアを開け3人は外へと出る。開けた瞬間から外の光が3人の視界に入ってくる。3人は玄関を通り過ぎるの、アリスがドアをゆっくりと閉めた。


「わぁ…なんだこれ…」


瑛斗と葵が外の景色を見ている。そこには1つの大きな通りがあり、その周辺に街並みが広がっている。 そして大きな繁華街のような賑わいだった。


「アオイ、エイト。行くよ?」


2人がその景色に見とれているとアリスが先に歩き、2人を見てそう言った。それに気づいた2人はアリスの元へ小走りで向かって行く。アリスの元へとつき、3人は建物を離れ歩いている。建物の陰から出るとふと気になった事があり瑛斗は後ろを振り向き、その建物を見た。


2人がいたその建物は、城のような立派な建物だった。


「え…城?これって城なのか?」


「うん。お城というよりか……お城だね」


「城じゃん」


アリスがそう言った事に対して、思わず笑ってしまった瑛斗。3人は話しながらその城の前にある街へと向かって行く。






城の前にかかっている橋を渡りその街へと入った3人。その街からはいろいろな声が聞こえ、いろいろな人がいる。商売をする人や物を買う人や友人らと雑談をする人などがいた。そんな中を3人は歩いて行った。


その時、3人の前から歩いてきた男性がアリスを見て立ち止まる。


「あ、アリス様…!会えて光栄です!」


その男性がアリスの名前を呼ぶとその近辺にいた人たちがそれを聞きアリス達を見た。あっという間にアリスと瑛斗と葵の周りには人だかりが出来た。


「あ、アリス?これなんなの?みんなアリス様、アリス様って呼んでるけど…」


「アリスちゃん!こ、これどうにかして…」


「この事は後で話すね。とりあえず……みんな道を開けて!私たちは急いでいるの!」


アリスがそう言うと、人だかりは無くなっていき3人はようやく動けるようになった。街にいた人たちが3人から離れる。そして、3人は小走りでそこから離れて行った。


その後3人は街周辺をぐるっと、一周し再び城に戻ってきた。そしてまたアリスの部屋に戻って来た。瑛斗はさっき言った事を聞くためにアリスに話しかける。


「でー…なんでアリスの周りにあんな人が来たんだ?」


「私ね、実は……王女なの」


2人はその2文字を聞き、固まった。無言の空間が部屋に広がる。そして2人はいろいろ考えようやく状況を飲み込むことが出来、2人は叫ぶ。


「「お、お、王女〜!?」」


「お、王女って事はこの国のお、お、お偉いさん的な人って事!?ごめん!アリスちゃん!今まで敬語使わずにタメ口で話してて…これから敬語と様付けするね…」


焦りながらそう言う葵。アリスは驚いた表情で葵を見ていた。そして2人が向き合う。


「別に大丈夫だって!私、そう言うの全然気にしてないよ?だから気軽呼んでいいよ?」


「本当?ならよかった…」


ホッと安心したような表情になった葵。2人は微笑みながら会話をしていた。瑛斗もその2人のやりとりを見て微笑んでいる。


「アリスが王女だって事、もっと早く言ってくれればよかったのに」


「言いにくかったの。言ったら2人にどんな反応されるか怖くて…」


「まぁ…正直驚いたけど、会った時から、アリスの雰囲気が違ったから特別な人なのかななんて思ってたんだよ」


「そ、そうなんだ…ごめんね。言わなくて」


「俺は気にしてないよ」


「私も!気にしてないよ!いつも通りな感じで接するね」


3人はそんな会話を続けていた。それはかなりの時間続いた。話の内容は王女がどんな事をしているのかだとかお父さんやお母さんはどんな人なのかを話していた。



気がついたら、夕食の時間帯まで3人は話していた。かなりの時間話し、そしてそれがかなり盛り上がったのだった。


部屋に夕食ができた事を男性が伝えに来て3人は食堂へと向かって行く。食堂へ着き3人は夕食を食べた。


夕食を食べ終わり、寝る前にまたアリスの部屋で話す事を決めていた3人は再びアリスの部屋へと戻って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る