純朴乙女グングニール

姫宮未調

プロローグ


この世界は、1/3を未開の氷塊、1/3を海が占め、残り1/3が陸繋ぎの大きな島となっている。

魔王などは存在しないものの、そこかしこに魔物が住まう。エルフ、ドワーフ、ノームなどの自然とともにある精霊族や、人間すべてが大陸に存在した。

それは数十の国に分かれ、中でも血気盛んなのは人間であり、他種族や同じ人間との戦争が絶えない。他種族と協定を結ぶ国もあれば、すべてを敵に回す国もある。


━━女神の鉄槌・グングニール━━


それが天から落ちてきたのはいつだったか。理由はなんであれ、荒れ狂った世界にを下さんが為に、世界を統べるとある女神が落としたとされていた。真実は未だに明らかになっていない。伝承が何一つないからである。

はすべてを一掃するほどの、驚異的な力を持っていた。は基本的に国を統べる者が選ばれていた。それを手にした国への攻撃は自殺行為。瞬く間にが下される。恐れ戦くことで、戦争は緩やかになってゆく。


しかし、同じ国にが留まることはない。人知れず、何らかの意思により、移動していた。と、がある。


そして今、がある国は………。


しかしながら、各国の国民はあまり興味を持たない。

王家と軍隊、国民とは大きな隔たりが存在しているからだ。国民が反旗ストライキを起こさせないために情報は最小限に抑え、興味を持たせないようにした。その甲斐あってか、の名を聞いても無反応である。一部の情報屋たちが、お金のために躍起になって情報をかき集め、貢献するのみ。

だからその威力も、形状も、以外は知るよしもない。それが本来、どんな存在であるかさえ……。



これは、興味を持たない薬師の青年が、に選ばれてしまう物語。

出逢うことにより、聞いていた話とは違う真実が明かされる。

の存在理由とは……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る